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甲信御岳参詣道の復活⑦-オオカミ伝承(その4)  

立冬も過ぎて、研究室のある甲府も冬の景色になりつつあります。
4年生は卒業論文の準備が本格化してきて、なかなかテンパっている状況です。

けさの南アルプスの様子はコチラ↓ 少し霞んでいます。
20171110風景

御岳参詣道周辺のオオカミ伝承の文献調査も3合目くらいに差し掛かってきました。
忘れないうちに追加の記事を書いておきたいとおもいます。

金峰山東口方面の続・オオカミ伝承

塩山市史編さん委員会『塩山市史 通史編下巻』(塩山市、1998)

[東3-1]逆に塩山市域を超えて、市街の神仏を信仰することも少なくなかった。その代表が三峰神社であろう。この神社には、盗難除けと農作物の豊作祈願のために出かけていった。埼玉県秩父に建立されている三峰神社は、塩山市の各集落からは雁坂峠越えの秩父街道か、青梅街道から一之瀬を経て山間部をたどる道があった。どちらも朝早く発ち、神社に参拝し、お犬様の神札をいただき、その日の内に帰路につくか、ないしは神社の宿坊などに一泊したあと帰村した。ムラでは帰路を待ちかまえ、代表者の家でヒマチが行われた。そのおり各家には神札が配られ、配られた神札は家の入口や倉の入口に貼られた。こうすると神札のお犬様が見張り、泥棒が入らないといわれてきた。
  なお、ムラ全員で参拝に出かけることは、経済的理由などでできなかったので、ムラの代表が赴いた。このような参拝の仕方を代参といい、その組織体を講という。
  下竹森の的場組では現在でも四月二十九日頃に三峰講が行われている。この日、集落内に建立されている三峰神社の社を檜の枝で葺き替え、終わると宿でオヒマチを開き、三峰神社のお札を各戸に配る。お札は一週間ほど前に代参が秩父の本社から戴いてきたものである。729


春日居町誌編纂委員会『春日居町誌』(春日居町、1988)

[東4-1]三 三峯講
  埼玉県秩父山地の東部、妙法、白石、雲取の三峯を主とし大滝村の三峯神社三峯権現が主神である。特に盗難火除けの信仰があり、権現の眷属とする山犬を御犬と言いその御札を門口に貼れば盗難をのがれると言われている。現存する講では岩下、別田、熊野堂などの人たち十数名で続けられており代参人二人は毎年本社へ参拝しているとのことである。また国府地区にもあると聞く。1221


[東4-2]
  枕飯や枕だんごを穴に入れ近親者や送り人は小石や土を墓穴に投げ入れ、あとは棺方が土をかけ埋める。埋葬後「いぬっぱじき」といって青竹を弓なりに曲げて十文字に墓にさしておく。これは犬などに墓を荒らされたいためだという。


日川村誌編纂委員会『日川村誌』(日川村誌編纂委員会、1959)

[東5-1]貞女と山犬
  昔時日川端に在つた称名院が天正元酉年現在の所に引寺する前迄はこの屋敷一帯は長谷川源之亟と云う者の所有地であつた。この屋敷の戌亥の隅に守護神天神様が祠られており御神体は雲慶の作と伝へられ、引寺以来称名院で年々祭りを行つて来たが、墓地が増すにつれて梨の木南割に敷地を設けて此処に天神を移し以来一町田中にて祭典を施行して来たが、明治四十年の大水害によつて水上稲荷境内に移した。この長谷川の娘が川田村長谷川源之亟方へ嫁いだが、間もなく何かの事情で一時実家へ戻つていた所、暫くして婚家の夫が大患いして居る事を聞いたが公然と行く事も出来ず、思案の末こっそり夜行く事に意を決した。
  当時甲府方面へ行くには村西の舞台高地にある重川の土橋を渡り大野の南に出て桑な戸橋から小松に出ていかねばならなかつた。この人里離れた夜道を一人で行く事は並大抵ではない、しかもこつそりと人目を忍んで病人の看護及び一切の世話をして、まどろむ間も無く明け方に又実家へ帰らなければならない、こうした苦難の夜を続ける事一年有余遂に世間に知れたが不思議にこの長い間の夜道を何の事故も無く過ぎた事は、奇しくも一疋の山犬(狼)が何処からか現われて何時も蔭になり貞女の前後を護り送り迎へをした事であつた。即ち貞女は山犬に身辺を護られて長い間の看病を仕遂げたのである。
  この伝説の起りは武田信玄時代より少し以前の事と想像せられ、三井清氏が明治三十二年川田村長谷川源之亟氏に知遇を得た際この伝説を聞いたところ同家の老人曰く「確かに有りました」との事で捏造でも無く事実であると伝えられる。810

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Posted on 2017/11/10 Fri. 08:49 [edit]

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