山梨には「無尽」が残っているよ(メモ後編)  

今日の甲府は寒風吹きすさび、寒い一日になっています。

研究室の窓からの今朝の南アルプスの様子はコチラ↓ お山の雲も風にあおられ・・・
20161215風景

さて、山梨の「無尽」メモの続きです。

大学で加入している判例検索システムで、「無尽」をキーワードにして、判例を検索してみました。
そのうち、「無尽」の中身に触れている判決は、わずか2件だったので、その内容をメモしておきたいと思います。これらの「無尽」は前回触れたいわゆる「取り無尽」です。

●甲府地判昭和31・7・17下級民集7・7・1943
「本件講会は訴外Mの営業資金を得る目的で昭和二十八年四月十六日発起されたもので会長を被控訴人とし、会員は被控訴人及び控訴人外十四名、一口の掛金額は一万円、総口数十七口、会式は親子総割制、開会日は同年四月十六日、同月二十七日、同年五月以降は毎月二十七日とし、落札は入札と口せりより決め、落札金は落札者が会員一名の保証の下に会長に対し金銭消費貸借契約証書を差入れ、講員の掛金若しくは掛戻金不払の場合における講金の取立は業務執行者たる会長がこれをなす約旨のもとに組織された無尽講であること」が認めれる。

●甲府地判昭和27・10・14下級民集3・10・1453
本件講会は、「訴外Dが発起人となり一口の掛金額五千円、総口数十八口の親子総割制による無尽講を設立し昭和二十四年二月一日を第一回として爾後逐次講会を開催し入札の方法で講金受領者を定めたこと」については控訴人は争っておらず、また証拠等によると「訴外Dの訴外Mに対する取引上の負債約十万円を償却することに出発したが結局講員相互間の資金の融通をなすことを目的として設立されたもので、会長、施主を定め会長は責任を以てその業務を処理し施主は会長の補助者として掛金、掛戻金の徴収落札金の交付講会の招集、準備等の事務に従事したことを肯認するに十分である」。

いくつか意味がはっきりしない言葉もあるのですが、それは後日しらべておくとしましょう。

メモの最後に、今年公表された「金融リテラシー調査」の結果です。週刊朝日の記事を引用しておきます(https://dot.asahi.com/wa/2016090900054.html。リンク切れ御免)。

 今、全国の地方銀行幹部から注目されている資料がある。日本人のお金に関する知識や判断力を、初めて公的・大規模に調べた「金融リテラシー調査」だ。結果を見ると、金融知識の高さや低さ、投資意欲の強さや弱さなど、お金にまつわる地域性が浮かび上がる。その調査で特に衝撃を与えたのが、山梨だ。その理由を東日本の分析とともに見てみよう。
 「都道府県別データが豊富で、地銀の営業戦略策定にも生かせる内容です。データの質と量ともに充実していて海外からも注目され、英訳作業を進めています」
 こう胸を張るのは、日本銀行の川村憲章・金融知識普及グループ長。地域の人口構成に合わせた18~79歳の2万5千人を対象にしたネット調査で、「金融広報中央委員会」(日銀が事務局で、政府や自治体で組織)が6月に結果をまとめた。
 ねらいは日本人のお金の知識や意識をつかみ、今後の金融教育に生かすこと。調査結果に一番驚いたのは山梨の金融関係者だろう。「人生の3大費用は何か」「金利が上がると債券価格はどうなる」など、正誤問題の正答率が全国最下位。おまけに、金融トラブルを経験した人の比率が全国で最高。「金融知識が低いとトラブルにあいやすい」との傾向の典型例になった。
 <中略>
 『出身県でわかる人の性格』の著者で、出版プロデューサーの岩中祥史氏(65)。山梨の知識の低さの背景には、当地で受け継がれる金銭の互助組織「無尽」があると指摘する。
 「金融機関ではなく、地域や職場に広がる無尽の仲間を頼りにする意識があります。金融商品の知識がなくても、仲間の強いつながりでやっていける風土です」
 確かに、山梨の消費者ローン利用者の比率は全国で下から2番目。では、なぜ金融トラブルが多いのか。
 「普段は無尽頼みで金融知識が低いだけに、たまに金融機関などと接点を持つとトラブルになりやすいのかもしれません」(岩中氏)
<中略>
『ビジネスの9割は「県民性」でうまくいく』の著者で、経営コンサルタントの矢野新一氏(67)は、
<中略>
冒頭の山梨の結果について、岩中氏と同じく「無尽」の影響力を指摘した。
「ゴルフの無尽など、今は金銭的な結びつきばかりではないが、影響は依然大きい。居酒屋に『無尽歓迎』と書かれ、選挙の当落は入っている無尽の数で決まると言われるほどです」
 全国最下位の金融知識は、郷土を愛する人の結びつきの裏返しかもしれない。




関連記事
スポンサーサイト

Posted on 2016/12/16 Fri. 14:55 [edit]

CM: 0
TB: --

top △

« 2016年12月18日の朝焼け@埼玉県寄居町  |  山梨には「無尽」が残っているよ(メモ前編) »

コメント

top △

コメントの投稿

Secret

top △

2017-10
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31