甲府のノラ-猫編18号 

フラッシュ焚いたら目が光ってしまうニャー。

ノラ18号
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Posted on 2015/08/26 Wed. 19:31 [edit]

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金曜日の夜に国会前の抗議活動に行ってみました。 

土曜日ですが、雑用をすませに大学に登校しています。
講義のない8月・9月は時間が許せば、研究室の庵主は甲府を離れているので、せっかく甲府にいるときは土日関係なく登校ということになります(明日日曜日も東京での研究会に出席です)。

さて、国会で審議中の安保法制への反対活動をする学生有志の団体SEALDs(Students Emergency Action for Liberal Democracy -s)が報道でも取り上げられることが増えています。また、ネット上でも、支持派・批判派が入り乱れて、情報や発言が流れています。批判派発言の有名どころでは、未公開株問題で追い込まれている元自民党の遠藤貴也議員の「自己中」発言がありましたね。

庵主も存在は彼らのその存在はネットで知っていたのですが、学部生向け法学雑誌である「法学セミナー」2015年9月号でインタビュー記事が掲載されたこともあり、8月21日、東京での研究会の帰り道に、彼らの主要な活動のひとつである毎週金曜日の国会前の抗議活動を見てきました。備忘禄も兼ねて、ちょっとばかりの印象記を書いておきます。

法学セミナーの表紙はコチラ↓ メンバー4人に対するインタビューでした。
201509法学セミナー

抗議活動は午後7時30分から始まるとのことだったので、少し早めに国会前に行き、様子を見ていました。「百聞は一見に如かず」で報道などで見ていたイメージと少し違っていたというのが実感です。

待っている間の国会の屋根はコチラ↓ 安物のカメラの解像度ですいません。
20150821国会議事堂1

気が付いた点をいくつか、順不同であげておきたいと思います。
●参加者は、国会前庭の歩道を半分に区切ったところにいなければならない(良く言えば通路が確保されている)ので、ウナギの寝床状態で参加していました。もっとも先頭(国会議員や著名人。昨夜は小池晃議員と佐高信氏だったようです)は、後方の参加者には全く見えません。
参加者は赤い線の場所に行列していました。
20150821国会2
前庭南側から中心方向を写してみました。ノーフラッシュなのでこの程度でご容赦を。手ブレもあります。
201508国会3
●中心となるメンバーやスタッフさんは学生さんのような感じでしたが、一般の参加者は年配の方から制服姿の高校生まで幅広かったです。ただ、元気なのはむしろ年配の方(庵主よる年上かもしれません)でした。
●他の団体(反原発団体など)もこの周囲にいましたが、基本的に別行動でした。
●SEALDsのメンバーかどうか分かりませんが、「中核派のビラを受け取らないように」と注意をしている人たちがいました。確かに中核派(前進社)は離れたところで宣伝活動を行っていました。
●救護班の用意もありました。
●シュプレヒコールは、「憲法守れ」、「安倍はやめろ」、「集団的自衛権はいらない」、「戦争法案廃案」などを、ドラムのリズムに乗せるかたちで、スピーカーが調子をとって行っていました。
●多くの人がA4サイズのプラカードを持参していました。これがないと(庵主はもっていない)、参加するにはさびしい。


雰囲気としては「お祭り」、「クラブ」といった感じでしょうか。
庵主は京都大学の学生時代に知り合いに動員され、京都河原町から円山公園へのデモに参加したことがありますが、その時の雰囲気とは全く異なります。SEALDsの活動は、ずっと明るい印象でした。

最後に、庵主は一応法学の教員なので、国会前の交差点にいた見守り弁護士の方と少し立ち話をしてみました。
●見守り活動は反原発などの活動の過程で、警察による過剰規制が目についたので、始まった。
●SEALDsについても過剰規制のおそれがあるため、見守り活動をしようということになった。
●弁護士会などは全く関与してない、弁護士有志による活動である。
●見守りに参加している弁護士は司法修習時代からの仲間というわけでなく、弁護士登録後の仲間である(この点は党派性があるかどうかを気にしたのでしたみました)。


8月には23日、30日と大きな集会があるそうです。また、金曜日には国会前で活動をするそうです。
今回は研究会帰りの荷物・恰好だったため、この程度の印象記でご容赦を。

Posted on 2015/08/22 Sat. 14:11 [edit]

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歴史学から学ぶ-大藤修『日本人の姓・苗字・名前』 

またまた長らく更新を怠っている間に、お盆休みも無事に過ぎました。
今日の研究室の庵主は入試関係の校務をするために、朝から大学に登校しています。

今日の研究室の窓からの南アルプスはコチラ↓ 山の様子から見ると2000m以上は雲の中です。
20150819風景

さて、このお盆期間中、歴史学者の大藤修先生(東北大学名誉教授)の『日本人の姓・苗字・名前』歴史文化ライブラリー353(吉川弘文堂、2012年)という本を読んでいました。目的は、ゼミの学生が「選択的夫婦別姓」の報告をするとのことだったので、それに先立ってもう一度「姓」、「苗字」、「氏」などの歴史的な意義を確認するためでした。

大藤先生の本の表紙はコチラ↓ 
日本人の姓

大藤先生の本で得た知識をひとつ(民法を専門と言っているくせに、知りませんでした・・・。家族法は専門外と言い訳します。)。

● 太政官は、明治8年(1875年)の「平民苗字必称令」に関連して、石川県からの伺いを受けた内務省からの問い合わせに対し、翌年3月、婦人は他家に嫁いでも「所生の氏」を称し、夫の家を相続した場合に限って、「夫家の氏」を称すべきであるとの指令を行った。夫婦別氏の指令
● この指令に関しては、諸府県から異議申し立てが相次いでなされた。その理由は、民間にあっては、妻が生家の氏を称する例はわずかで、婚家の氏を称するのが一般の慣行であるとする。
● 明治11年の民法草案では「夫婦同姓」と、また、明治21年の第一草案では「夫婦同氏」とする規定となっていた。

そして、その後旧民法(「家族同氏」)の制定議論を経て、現行民法の夫婦同氏(民法750条、戸籍法16条、同74条)となっています。明治初年の夫婦別氏は平民(それまで公的には氏を名乗れなかった人たち)の問題であり、妻の出自が重要であった支配階級の伝統を重視する政府では、旧民法の議論に至るまで、夫婦別氏的な立場だったそうです。

民法研究のうち解釈論(既存の条文を解釈し、具体的な問題の解決につなげる議論)ではもちろん、立法論(ある社会的問題を解決するためどのような法を定めるのかの議論)でも、歴史的な事実は重視されるべきものだと庵主は考えてきました。

ところが、大藤先生は夫婦別氏(別姓)をめぐる現在の議論について歴史学の立場から警鐘を鳴らしていました。少し長くなりますが、上記書籍のその部分(220頁)を引用しましょう。

 「夫婦別氏」反対論には、それを認めると家族の絆が弱まり、伝統的な「家族」の制度が崩壊する、というものが多い。しかし、その場合に想定している「家族」制度なるものは、先述したように、明治になった「家」制度と同義のものとして創出されたにすぎず、決して古くからの伝統ではない。「夫婦同氏」にしても、それが日本で初めて法制化されたのは、明治三一年(一八九八)公布・施行の明治民法においてであり、それ以前には政府も、夫の家に入った女性は「所生の氏」を称することを原則としていた。前近代においてお「夫婦別姓・別苗字」の事例はみられるが、それとて妻の人格を尊重してのことではなく、歴史的に固有の意味をもっていた。
 夫婦同氏、夫婦別氏のどちらを主張するにせよ、その正当化の根拠を安易に歴史に求めるのではなく、氏をめぐる問題は、どのような形にしたら、日本国憲法にうたう「個人の尊厳と両性の本質的平等」を実現できるか、という憲法の原則に立って議論すべきであろう。


法学の研究者・教育者として、改めて考えてみたいと思います。

Posted on 2015/08/19 Wed. 17:04 [edit]

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NBP試合観戦契約約款について(後編)  

今日から8月です。
先月は、本務校の校務や期末試験の実施、非常勤先の期末試験などが立て込んで、結局1回しかブログの更新ができませんでした。今日の午後に、非常勤先に成績を送信したので、やっと無事にお盆休みを迎えることができます。

研究室の窓からの南アルプスはコチラと思いましたが。。。↓ 霞んで見えません。
20150801風景

いろいろと連載物もあったのですが、長らく更新していないうちに忘れてしまいそうです。
そこで、覚えているものとして「NBP試合観戦契約約款」について、後編を書きたいと思います。

大学で契約している判例検索システムD1-Lawで、この約款がらみの事件を検索してみると、2つ事件がヒットしました。
1)この約款に基づき入場券の販売拒否対象者として指定された者が指定の効力を争った事案  
  (第1審)名古屋地裁平成22・1・28判決  (控訴審)名古屋高裁平成23・2・17判決
2)プロ野球観戦中にファールボールが当たり、後遺障害が残ったとして球団等に損害賠償を求めた事案
  (第1審)札幌地裁平成27・3・26判決

このうち札幌地裁の事件を紹介しましょう。

原告の女性は、平成22年8月に札幌ドームで開催された北海道日本ハムファイターズ(被告ファイターズ)対埼玉西武ライオンズの試合を子供とともに観戦に訪れ、内野指定席に座って観戦していところ、3回裏の被告ファイターズの攻撃中に飛んできたファールボールを顔面に受け、その結果失明するに至ったので、被告ファイターズらに対し損害賠償を求めたものです。

争点はいろいろとあるのですが、約款関連では、①主催者である被告ファイターズに野球観戦契約上の安全配慮義務違反があるか②被告ファイターズに約款13条の免責規定が適用されるかでした。

札幌地裁は争点①については、被告ファイターズと札幌ドームの指定管理者である相被告札幌ドームの工作物責任(民法717条)上の設置・管理の瑕疵が認定されており、その意味で安全配慮義務があるとしています。

争点②に関しては、約款上の免責条項をまず引用しておきましょう。

第13条 (責任の制限)
 主催者及び球場管理者は、観客が被った以下の損害の賠償について責任を負わないものとする。但し、主催者若しくは主催者の職員等又は球場管理者の責めに帰すべき事由による場合はこの限りでない。
(1) ホームラン・ボール、ファール・ボール、その他試合、ファンサービス行為又は練習行為に起因する損害
(2) 暴動、騒乱等の他の観客の行為に起因する損害
(3) 球場施設に起因する損害
(4) 本約款その他主催者の定める規則又は主催者の職員等の指示に反した観客の行為に起因する損害
(5) 第6条の入場拒否又は第10条の退場措置に起因する損害
(6) 前各号に定めるほか、試合観戦に際して、球場及びその管理区域内で発生した損害
2  前項但書の場合において、主催者又は球場管理者が負担する損害賠償の範囲は、治療費等の直接損害に限定されるものとし、逸失利益その他の間接損害及び特別損害は含まれないものとする。但し、主催者若しくは主催者の職員等又は球場管理者の故意行為又は重過失行為に起因する損害についてはこの限りでない。
3  観客は、練習中のボール、ホームラン・ボール、ファール・ボール、ファンサービスのために投げ入れられたボール等の行方を常に注視し、自らが損害を被ることのないよう十分注意を払わなければならない 。


約款によるとプロ野球観戦から生じる観客の損害は原則として主催者(球団)は責任を負わない旨を定めており、賠償責任を負う例外(1項各号)と例外に該当した場合に負うべき賠償の範囲(2項)を定めています。

被告ファイターズ側はこの条項の適用を主張したのですが、札幌地裁は同条1項但書に「主催者又は球場管理者の責めに帰すべき事由による場合はこの限りでない」と定めているところ、原告の損害は札幌ドームの「設置及び管理に瑕疵が存在したことが原因であると認められるから、被告ファイターズは、原告に対する損害賠償責任を免れることはできない(また、以上によれば、被告ファイターズは、原告に対し、野球観戦契約上の安全配慮義務違反があったものと認められる。)」としました。

また、札幌地裁は、損害賠償の範囲を治療費等の直接損害に限定する約款13条2項本文につき、「ファウルボールに限らず、一般的に主催者や球場管理者の損害賠償責任の相当部分を免除するというもので、信義に反するものであり、観戦者の利益を一方的に害するものであるから、それ自体無効というべきである」としました。さらに、札幌地裁は、札幌ドームには工作物責任が認められる一方、責められるべき落ち度のない原告がその瑕疵によって身体に重大な後遺障害を負ったのであるから、被告ファイターズが同項の適用を主張して賠償額を限定することは、権利の濫用に当たると指摘しました。

札幌地裁の判決では、工作物責任による工作物の設置・管理上の瑕疵を認定するに当たり、プロ野球の特質(事故の危険性、観客の属性など)を検討し、札幌ドームでの瑕疵を認定したものです。最近の球場では、臨場感を求めよりプレイヤーやボールに近い座席を増設したりする動きがありました。これらの座席の安全対策について、本件は参考となる事例となります。

また、約款13条2項の制限については、一般的に無効とも解することができるような判示となっています
この点については、被告ファイターズだけでなく、統一約款を進めてきたNBL側としては受け入れがたいと負われます。ということで、被告ファイターズは、4月7日に札幌地裁に控訴しています

Posted on 2015/08/01 Sat. 18:15 [edit]

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2015-08