「セクハラやじ」と「セクハラおやじ」 

研究室のある甲府も先ほどから雷鳴が聞こえ始めたと思ったら、いよいよ雨が降り出しました。

ここ数日、塩村文夏東京都議の議会での質問時における「やじ」に関するニュースがマスコミを賑わせていました。昨日の自民党の都議の謝罪記者会見で幕引きになるのかどうかわかりませんが、庵主は「セクハラやじ」という言葉に対する違和感を引きずっています。新聞記事やネット記事のタイトルの「セクハラやじ」がどうしても、「セクハラおやじ」に見えて仕方ないということもありますが、それよりもセクハラという言葉への違和感です。

セクハラ(Sexual Harrasment)は、本来、労働問題において、もともとアメリカ公民権法で禁止された性を理由とする差別行為を言います。たとえば、アメリカの代表的な法律辞典であるブラックス・ロー・ディクショナリー(B.A.Gardner, Black's Law Dictionary, 9th ed.)では次のように解説しています。

性的な性質に係るな言葉または身体的な不当な扱いにより構成される、労働差別の一類型


一方日本では、労働法上の問題としても議論の対象となっていますが、それ以上に一般的な用語として使用されています。以前この問題を調べていたある企業の方の研究報告によると、日本では本来的な意味だけではなく、性犯罪(強姦・強制わいせつ)から、不用意な性的な発言・行動(これも企業内で行われると環境型セクシャルハラスメントとなる場合があります)に至るまで、この一語が使われているとのことでした。

今回の都議会の問題も、「セクハラ」と言ってしまった段階で、単に不適切、下品な行為としか捉えられなくなってしまったかのようです。そのため、今回の問題を「性差別やじ」と呼んでいる論者もいます。
ある都議が認めた発言「結婚しないのか」は、それだけで個人の人格権・自己決定権を侵害する違法な行為になりますし、仮に対象が女性であったことが発言につながったのなら性別による差別の問題にまで発展してきます。

このような言葉の違和感としては、「いじめ」ということばもあります。これもその内容は恐喝、暴行、強姦などの犯罪行為であったり、することがありますが、言い換えによって分別のない子供の行為とみなされることが少ないようです。

庵主の専門とする法学では、ある言葉がどう定義づけられているかということが重要になります。大学の講義でも用語の定義を理解することが大事だと言い続けており、学生の言葉に対する感度が少しでも上がれば可としたいと思っています。
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Posted on 2014/06/24 Tue. 15:09 [edit]

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大学の農場で父兄と懇談しました 

今日の甲府は、うす雲がかかった状態ですが、昼間は雨の心配なさそうです。

先週の日曜日、もう4日前になりますが、庵主の所属学部の後援会(父兄会みなたいなもの)の役員さんとの懇談・懇親会に、頼まれて行ってきました。場所は甲府市にある小曲農場というところで、そこの見学会も兼ねての催しでした。

小曲農場の公式URLはコチラ↓
http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~ykobayashi/hp/index.html

農場のブドウの木はコチラ↓ 詳しいことは分かりません。
20140615農場2

文系教員の庵主は、初めて農場を訪問したので、少し遅れて行った(元々集合時間が遅く設定してあった)のですが、興味深々で思わず、ご父兄の見学の後についてついていってしまいました。

見学の様子はコチラ↓ 学部長が自分の研究を説明しています。
20140615農場1

最近の大学は、以前と異なって、父兄との連絡が密になっています。父兄の方も入学式や卒業式に出席するのは当たり前になり、学生=子供たちの日々の生活にも興味をもっています。関西のある有名私立大学の教員をしている知人に聞くと、その友人は半期に1回、希望者にはお子さんの学習状況についてのレポートも書かされているとのこと。高校までと違い、そこまで学生と時間を共有していないので、大変のようです。

見学の後は、役員さんとの懇親昼食会があり、当然のごとく就職・大学院のことがやはり中心的な話題にとなりました。
庵主が法律を教えているというと、ある父兄の方から、今回の安倍内閣の閣議による集団自衛権の行使容認決定はどう思うかとも聞かれたので、「集団自衛権講師の是非については意見はそれぞれあるだろうが、憲法を解釈しても集団自衛権が認められるとは読めない」と答えました。

大学生にもなってというのは、古い考え方なんですね。

その前日に行った、勝沼のぶどうの丘からの遠景はコチラ↓ そろそろブドウの実が付き始めています。
20140614勝沼


Posted on 2014/06/19 Thu. 11:03 [edit]

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甲府のノラ-猫編9号・10号・11号・12号 

今日も甲府は夏空です。
庵主は学部後援会懇親会に行った帰りです。猫は日陰が似合うかな。

さて何匹いるかにゃ。再登場もきっといるにゃん。

甲府のノラ9号~12号

Posted on 2014/06/15 Sun. 17:32 [edit]

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南アルプスがエコパークに登録?! 

研究室のある甲府は雨が少なくて有名ですが、やはり梅雨時なので、ここ数日雨模様です。
今日は曇っていますが、雨は降っていません。

研究室から見える南アルプスも雲がかかってます。今日の研究室の窓からはコチラ↓
20140612風景

南アルプスというと、ユネスコのエコパークに登録されたというニュースが、山梨県内ではトップニュースになっていました。

今日の山梨日日新聞の一面はコチラ↓
20140612山日

庵主の不勉強なのか、エコパークって、あまり聞きなれないし、よくわからないです。っと、思っていると、上の新聞のコラムに、「エコパーク」という言葉自体、親しみをもってもらおうと、2010年に日本で決めた言葉であると出ていました。正式には、「人類と生物圏プログラム(The Man and the Biosphere Programme)」に基づく生物圏保存のようです。確かに分かりにくいですね。

日本語の説明は文科省国内ユネスコ国内委員会のHP(http://www.mext.go.jp/unesco/005/1341691.htm)に出ていますし、ユネスコのHP(http://www.unesco.org/new/en/natural-sciences/environment/ecological-sciences/biosphere-reserves/、英語)にも当然説明があります。両方の説明と比較するのも面倒なので、日本ユネスコ国内委員会が出している審査基準に関するペーパーをみてみると、次のような目的が書かれています。

1.生物圏保存地域の目的
生物多様性の保全、経済と社会の発展及び学術的支援の3つの機能をもち、自然環境の保全と人
間の営みが持続的に共存している地域を指定することにより、地域の取組と科学的な知見に基づく
人間と自然との共生に関するモデルを提示する。


この上で、地域分け、保全管理その他の計画を立てたうえで登録されるとのことです。
最後に今回スウェーデンで行われた会議で諮問委員会から出された提言を原文のまま載せておきます(そのうち気が向けば翻訳しましょう・・・)

Minami-Alps (Japan). The total surface area for this site is 302,474 ha consisting of 24,970 ha as core area, 72,389 ha as buffer zone and 205,115 ha as transition area. This site is formed from the Mountain area, enclosed on two sides by the south-flowing Fuji and Tenryu Rivers.
It includes the Koma Mountains, the Akaishi Mountains (hereafter termed the “Minami Alps”) and the Ina Mountains. Recorded plants growing at altitudes above 800 meters in the Minami Alps include 138 families and 1,635 species of tracheophytes, 51 families and 248 species of mosses, and 15 families and 98 species of lichens. The flora of the Minami Alps is characterized by a relict distribution of plants that have migrated south along the Japanese archipelago in the ice age when it was connected by land to the continent. The fauna in this area include 15 families and 39 species of mammals, 35 families and 102 species of birds, 4 families and 9 species of reptiles, 4 families and 9 species of amphibians, 4 families and 10 species of fish, 16 families and 45 species of shellfish, and 179 families and 2,871 species of insects.
The great mountains, which are the main attraction of the Minami Alps, have hindered interactions among the areas in the Minami Alps foothills, and so, as a shared asset of these mountains, interactions among the regions will be expanded, protection and sustainable useof this superb natural environment will be fostered jointly, and an attractive region will be
created which draws on the natural beauty of the Minami Alps.
The Advisory Committee acknowledged the good quality of the proposal. The Committee recommended that this site be approved and encouraged the national authorities to develop elaborate sustainable development programmes in order to enhance the objectives of the biosphere reserve.

Posted on 2014/06/12 Thu. 12:26 [edit]

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市民後見人なる制度 

今日の甲府も暑いです。クーラーは嫌いなのですが、狭い研究室では稼働しないとやっていられません。

先月末くらいから研究室の庵主は研究会での報告準備などで珍しく忙しくしておりました。そのせいか、体調を崩しそうだったので、大神神社に一日参りをしたついでに、奈良の実家で2日ほどぶらついておりました。そんなこんなで、ブログの更新がおざなりになり、10日ぶりくらいの更新になります。

今日の日本経済新聞朝刊に共同配信として市民後見人についての記事が出ていました。まずは、電子版の引用から。http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0203B_S4A600C1CR8000/

「成年後見」17万人が利用 13年末、親族以外が半数超える
認知症や知的障害で物事の判断が十分にできず第三者に財産管理などを委ねる「成年後見制度」の利用者数が2013年末時点で17万6564人に上ったことが2日、最高裁の調査で分かった。前年より約1万人増え、集計を始めた10年以降で最も多かった。

 男性の約67%、女性の87%が65歳以上。高齢化の進行が背景とみられ、支援体制の整備を求める声が上がっている。

 13年中に新たに制度を利用したいとの申し立てがあったのは3万4548件で、12年(3万4689件)からやや減少した。内容別では「預貯金の管理・解約」が最も多く、「介護サービスの契約」が続いた。

 制度が始まった00年は配偶者や子など親族が後見人を務めるケースが全体の91%だったが、割合は年々低下し、13年は42.2%にとどまった。

 一方で、弁護士や司法書士など親族以外が後見人となるケースは年々増えており、13年は57.8%を占めた。

 全国に支部を置く成年後見センター「リーガルサポート」に所属している司法書士の岩井英典氏は「一人暮らしや高齢の夫婦など、身近に対応できる親族がいないケースが増えている」と分析。弁護士ら専門職以外にも、研修を受けた一般市民が担う「市民後見人」をさらに広げる必要があると指摘した。〔共同〕


市民後見人とは、弁護士や司法書士のような専門職でもなく、また、親族でもない、一般の市民が研修を受けた上で、裁判所から選ばれて就任する後見人をいうようです。もちろん、民法にはこのような言葉は出てきませんが、最近少しずつ使用例が増えているようです。

市民後見人については、研究室のある山梨の地元紙・山梨日日新聞の1面トップ記事となっていました。

記事の写真はコチラ↓
20140526山日

記事の趣旨としては、山梨県内の一部自治体では養成講座を始めているが、現在は笛吹市で4名が活動しているだけであり、もっと市民後見人を増やさなければ制度が成り立たない、ということでした。

ところで、後見人の仕事はなんなのでしょうか?
民法では、判断能力(法文上は「事理を弁識する能力」といいます)が十分ではない人を保護し、その社会参加につなげるため、判断能力に応じて、後見、補佐、補助の3種類が予定されています。それ以外に、親権者がいない等の事情のある未成年のための未成年後見、あるいは契約により後見人に就職してもらう任意後見があります。
このうち最初の後見の場合、後見人の仕事は、①被保護者(これを「被後見人」といいます)の財産を管理し、契約を代理して締結する、②被保護者の生活や療養看護に関する事項、③被保護者のした契約の取消や追認などがあります。
しばしば、例として挙げられるのが、被保護者が施設に入居あるいは病院に入院する場合に契約書に代理人としてサインをする、預金を引き出したり、保険金や年金を受領し、これらを管理する、などです。

仕事内容からわかるように、後見人には一定程度の法律知識が必要となります。
それに劣らず、お金にからんで生じる、親族からのプレッシャーに耐えられる気迫と支える体制が必要です。


以前、大阪にある知り合いの司法書士事務所で修行中の若い司法書士さんと話をする機会がありました。
庵主からの質問は、「修行明けにはどこか事務所を手配するの、それとも自宅で開業するの?」でしたが、彼の回答は、「後見の仕事をしていると、訳の分からない親族が押しかけてきたりするので、自宅では開業しないですね」、とのことでした。

法律知識は研修である程度カバーできるのですが、それ以外の問題は法律専門家や公の継続的な支援なしには制度が維持できないと思います。災害ボランティアなどでは、個人の善意と公的な仕組みが協働することが多くなってきたようですが、この「市民後見人」という制度を発展させるためには、善意のみに頼らない継続的な仕組みづくりが必要です。

末尾ながら、半年以上ぶりに原稿を発表しました。一応仕事している感を出しておきます。
20140527法律時報


Posted on 2014/06/03 Tue. 16:02 [edit]

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2014-06