空間除菌グッズで結局どうなの? 

研究室のある山梨大学も来週に新入生を迎えていろいろ行事が入ってきます。その分今週は非常に静かなキャンパスです。

報道では袴田事件の再審決定が話題になっています。法学分野にとって重要な問題であり、昼食時に他学科の理系の先生からも雑談的にどうなの的に質問を受けました。なにせ庵主は専門外でしたし、たまたま憲法を教えている同僚も同席していたので、同僚に解説をお任せしてしまいました。というわけで、ノーコメントです。

その一方、小さいニュースではありましたが、消費者庁が空間除菌グッズの表示変更をメーカー17社に命令したという報道がありました。元企業の庵主としては、こちらに興味を惹かれたので、少し考えてみたいと思います。

たとえば、YOMIURI ONLINEでは次のように報道してます。

生活空間でのウイルス除去や消臭、花粉対策に効果があるとの表示には合理的根拠がないとして、消費者庁は27日、二酸化塩素を使った空間除菌剤を販売していた大幸薬品(大阪)や大木製薬(東京)など17社に対し、景品表示法違反(優良誤認など)で再発防止を求める措置命令を出した。

 一度に17社に措置命令を出すのは同庁発足以来、最多。

 対象となった商品は、大幸薬品の「クレベリンゲル」や大木製薬の「ウイルオフバリア」などで、室内に置いて使用する据え置き型、首などにかけて使用する携行型の計25商品。業界関係者によると、市場に出回る空間除菌剤は、17社の商品が多くを占めるという。

 同庁が、表示の根拠を示すデータの提出を求めたところ、密閉空間でのデータだったり、商品よりも高濃度の除菌剤を使用したデータだったりで、同庁は「生活空間での効果の裏付けが確認できなかった」と説明した。


結局各社がうたっていた効能を示す証拠を出せなかったので、各社の表示が消費者が優れた性能であるとの誤認するものであり、景品表示法に違反しているというものでした。

消費者庁の発表したニュースリリースによると、命令の概要は次のとおりです。

ア 17社が行った表示は、対象商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、同様の表示を行わないこと。


各社の表示内容もニュースリリースに出ていますが、もともと売らんかなという広告の場合、誇張表現をとることがあり、一種のセールストークとして、一定程度は法的にも社会的にも許容されています。これを超え、消費者などに誤認をあたえるものになると、法的な規制(今回は景表法。食材偽装の際にも出てきましたね)がかかります。

今回の空間除菌グッズも性能改良か用途改良のないかぎり(可能かも???)、ちょっとしんどいですね。

このニュースで、庵主が気になったのは、各社(または製造元)の技術者ならば、広告の問題点に気づいていたか、あるいは違和感を覚えていたのかどうかということです。あるいは、現場の技術者が、「○○の条件下では、こんな効果が出ました」とか報告していたものが、会社の上の方に上がってゆくしたがって、この前提条件が外れたのではないかという懸念です。

場面は違いますが、庵主も企業にいたとき、ある契約条項について、条件付きで受け入れ可能と判断し説明しても、いつの間にか条件がなくなってました。
実例ではないですが、こんな感じです。
(契約条件)通常実施権を許諾。ライセンス料は、年間売上が1億円以上の場合はその3%とし、1億円を下回った場合には、売上高にかかわららず、300万円とする。
(指  摘)売上0円でもライセンス料が発生するので、この条件を受け入れるかどうかは、1)3%のライセンス料率がきわめて低い、2)1億円以上の売上の可能性が高いなどを検討しないといけませんよ。
(上の理解)社内的には条件を受け入れることは可能と判断している。

庵主は企業に永らく在籍していながら、いまひとつ企業を信頼していないところがあります。企業は、商品を売ることに関して、前のめりになりやすく、一旦組織が動き出すと、よほどのことがない限り止まらないんですよね。こんなときには技術者さんたちの良心や善意は大きな声にはならないことが多いのかもしれません。
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Posted on 2014/03/28 Fri. 13:22 [edit]

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中国のメディアに関する謹呈本を読ませてもらいました。 

研究室の庵主は、お彼岸のお墓参りがあったので、三連休は実家の奈良に戻っていました。
なんせ甲府-奈良間は時間がかかるので、いろいろ資料を持って、移動中に目を通しています。

今回の資料のひとつは、大学の同僚からもらったブックレットです。
他の研究分野は不案内ですが、少なくとも法学研究の世界に関係していると、知人から著作本や論文の抜き剃りをもらったり、逆に贈呈したりします。今回も同僚が共著者として名前を連ねています。

研究者にとっての業績ですので、謹呈・贈呈本の費用が研究費から支出できるかが結構重要な問題だったりします。庵主の倍位は、印税で買った分や印税の代わりに配布を受けた範囲で関係者に贈呈しています。

同僚からもらった本はコチラ↓
梅村卓=大野太幹=石塚迅=丸山鋼『中国のメディアと東アジア知的共同空間』(文教大学学園出版部、2014年)
謹呈本

中国(大陸部)における報道や言論の現状について分析されています。
中国共産党の報道・言論の統制・支配が反日運動を結果的にコントロール可能な範囲に抑制しているとのアイロニカルな指摘があり、もし中国大陸の民主化、あるいは共産党支配が揺らぐと、いままで以上に反日報道・言論が加熱するのではないかとの懸念も表明されています。日本の嫌中論者・反中論者も心にとめておく指摘だと思います。

関西ではお水取り、春場所が終わり、いよいよ春が到来する時期です。自宅の近くではつくしが顔を出していました。
春の彩に何本か摘んできました。

自宅の近くで摘んだつくし↓
20140324春の予感



Posted on 2014/03/23 Sun. 21:34 [edit]

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後期入試の判定教授会 

研究室のある甲府もここ数日昼間はコートなしで過ごすことができています。
先週から関西と東京での研究会のためあちらこちらウロウロしていたため、1週間ほど記事の更新がご無沙汰しました。

今日は朝から会議詰めで、その間に仕事(雑用)をしているという感じです。
そのうちの最大のイベントは、入試の合格者を決定する教授会への出席です。既に入試を担当する教員と職員さんのご苦労により、学科別・成績順の一覧表は作成されており、かつ、募集単位である各学科で事前審議は終わっているので、正式承認をするという形式的なものに過ぎません。
むしろ募集単位の各学科では、最終的に何人合格者を出すのかをめぐってボーダー線上受験生の点数や得点差を見て事前審議をしています。したがって、最後の1人・2人に神経を使っているようです(庵主は初心者なので、担当者の資料解説を聞きながらなるほどと言っているだけ?)。
募集人員が多い入試などではどうやっているのか聞いたことはないのですが、きっと規模が違うだけで、基本的には同じなんだろうなと思っています。

そうやって決まった後期試験の合格者は明日発表とのことです。

庵主は合格発表作業とは無関係なので、明日(代休日)からお彼岸の行事のための実家の方に帰ります。

明日の移動のお供はコチラ↓ 他にも読み残した資料も持参です。
日中関係史

少し読み始めましたが、以前に台湾の228記念館に関する記事で触れた、日本統治時代の台湾でも日本への抵抗運動があったことや二級臣民と扱われたことなどが言及されています。
内容的には学生さんでも十分理解可能です。


Posted on 2014/03/19 Wed. 18:08 [edit]

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STAP細胞騒動とは関係なく、山梨大の後期入試は平穏です 

研究室のある山梨大学では今日(一部学部では明日も)後期入試がありました。研究室の庵主も面接要員として参加し、無事お役目を果たしました。

朝の甲府西キャンパスの南門の様子はコチラ↓ 受験生が登校中です。ビラ配りの人が目立ちます。
20140312後期入試

医学部以外の学部では主として前期日程で試験を行うので、あまり受験生は多くありません。庵主も午前中だけで面接を終了し、面接担当者内での結果照合、入試担当者への結果報告を終わらせ、時間に追われている用事に戻っています(その前にブログ更新・・・)。

一方、山梨大学では、STAP細胞の共同研究者である若山教授がいるので、ここ数日メディアに登場する機会が増えています。STAP細胞の論文に関する騒動は、庵主のような一般教員にはあまり関係なく、変わったことといえば、若山教授の名前をテレビや新聞で見かける頻度が増えたこと、あと学部の掲示板に貼ってあったSTAP細胞に関する新聞記事がいつの間にかなくなっていたことくらいでしょうか。

若山教授の所属する生命工学科のある先生からは、今年は生命工学科の受験生の成績が上がったようだとの感想を聞いたので、STAP細胞の論文発表はプラスの影響があったようです。出願前に騒動にならなくて良かったということだと思います。

庵主は若山教授と同じ学部なのですが、学科が異なり、その上研究室のある建物が全く違うので、月1回の教授会でご一緒するくらいで、全く交流はありません。良い意味で、理系の研究者然とされているとの印象があるだけです。

このように騒動とは関係なく、研究室のある学部では無事に今年度の入試も終了しました。

結果はともかく、受験生の皆さんはよく努力しましたね。若い希望にあふれた次の一歩を踏み出してください。

Posted on 2014/03/12 Wed. 14:51 [edit]

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マレーシア航空に危険な前兆があったのか 

研究室のある甲府は今日も強い北風が吹きまくり、庵主も寒い思いをしながら登校しています。

研究室の窓から見える寒々しい様子はコチラ↓
20140310風景

一昨日から、マレーシア航空機が南シナ海上空で消息を絶ったというニュースが報道されています。庵主も、乗員乗客の無事を祈っていますが、現在のところ厳しい状況のようです。

ところで、マレーシア航空はここ半月ほどの間に、庵主が知っているだけでも、よくないニュース2件に見舞われています。

1.2月28日のエンジン発火事故 
庵主が台湾に滞在していた2月28日、台湾桃園国際空港発コタキナバル行きのマレーシア航空エアバス320型機が離陸直後エンジン付近から出火し、引き返したとの事故がありました。幸運にも死傷者は出ませんでしたが、ひとつ間違えると大惨事となっていたため、台湾のTVや新聞では大きな扱いで報道していました。

yahoo奇摩の記事(民視の分)はこちら↓
http://tw.news.yahoo.com/馬亞航引擎訊號異常-原機折返-120050544.html

2.3月7日付け赤字報道
3月7日の日本経済新聞アジアBis欄に、マレーシア航空が巨額赤字に陥ったとのバンコク・ポスト(タイ)の記事が紹介されています。同記事によると、2011年にも大幅な赤字となり、現在の最高経営責任者の下、輸送力増強と大幅なコスト削減を進めていたとのことです。

よく1つの大きな重大事故の陰には、いつもの小さな事故や以上が存在するといわれています(ハインリッヒの法則)。今回のマレーシア航空もその責任の所在ははっきりしませんが、この危険性がないとは言えません。

原因は専門家にお任せするとして、私たちは、最後までご無事を祈りたいものです。

Pray for their life !
祈祷他们存活!

 

Posted on 2014/03/10 Mon. 14:23 [edit]

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“KANO”を台北で見てきました 

研究室の庵主は、本日(といっても、もう日付が変わりそうです…)無事に台北から帰国しました。

台湾では、庵主が到着した2月27日から映画“KANO”の上映が始まったので、早速見てきました。
この映画は、台湾の日本統治時代の1931年に甲子園(当時の中等学校野球大会)に出場し、準優勝した嘉儀農林野球部をモデルにした作品で、日本人、台湾原住民、漢人からなる混成チームの成長を描いたスポ根系ドラマです。嘉義農林(kagi-norin)だからKANOですね。

Yahoo!奇摩の電影紹介はコチラ↓ メイキング映像があったりします。
http://tw.movie.yahoo.com/movieinfo_main.html/id=4783

日本語版としては、FaceBookにページがあります。URLはコチラ↓
https://www.facebook.com/Kano.japan

台北でも映画館は客席の少ないシネコンが多いようなのですが、庵主が見た回もほぼ満席で、かなりの大入りのようです。本編中で使用される言語は、9割方が日本語、その他に、国語(中国標準語。大陸の普通話とほぼ同じ)、台湾語、原住民語が少し出てきます。役者さんもほとんどが台湾の役者さんなので、日本語の発音が少し変なところもありますが、それはご愛嬌でしょう。庵主が見た分には、国語と英語で字幕があったので、言葉の上での支障はありませんでした。

この映画、上映時間が3時間というけっこう長いです。
話はスポ根系で単純なので、途中で飽きることもなく、ポップコーンをつまみながら見ることができました。しかし、3時間も必要だっのか、疑問もあります。日本で一般に上映されるときには、カットされるのかな?

民族の違いを超えて、目標に向かって協力すれば、素晴らしい成果が生まれるということが製作者側の意図だったのかもしれませんが、その点が映像として描かれていたのか、大沢たかお演じる八田與一技師の意味などは?がつきました。これは実際にご覧になって考えて下さい。

最後に、テーマからすると、台湾の日本統治時代の美談のように受け取られる危険性はありますが、当時の野球部員を含む台湾の野球関係者へのインタビュー(謝仕淵『日治時期台湾棒球口述訪談』(国立台湾歴史博物館))を見ると、台湾人に対する差別がなかったわけではないと証言をする方もいます。
いろいろな資料を見て、日本と台湾の歴史を探って行くことが大切ですね。

Posted on 2014/03/04 Tue. 00:24 [edit]

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2014-03