悪ふざけ?それとも不法行為? 不謹慎画像の投稿問題 

庵主も永年愛用したWINDOWS XPの後継機として、WINDOWS 8を購入しました。講義時のパワーポイン
ト稼働用に使いますが、研究費で買うと手続が面倒なので、自腹購入です。
大学教員にも悪いことをした輩がいたからなのか、多くない研究費でも、使用するといろいろ面倒なことが
発生ます。

ところで、悪いことをする輩というと、最近アルバイト店員による悪ふざけ=不謹慎画像が、ツイッターなど
に投稿され、雇い主の企業が釈明にあたるという事例が報道されています。グーグル・ニュースでググると、
以下ような事例がヒットします。
○バーガーキング  バンズの上に寝転がる画像
○ブロンコビリー  キッチンの冷蔵庫に入っている画像
○ほっともっと 冷蔵庫に入る画像
○丸源ラーメン 冷蔵庫内の食材をくわえた画像
上記以外にもローソン、ミニストップ、ピザーラなどの外食系の企業で頻発しています。

若い人たちによる悪ふざけっていうのは、昔からありました。庵主が京大在学中のころにも、悪ふざけを
する連中はいました。記憶に残っているものとしては、鴨川の中を渡ったり、競争したりする連中や吉田
本部の正門のそば(TVのガリレオのオープニングで映るところ)で麻雀を打っている連中がいました。ま
た、カーネル人形が道頓堀に沈んだのもこの頃だったと思います。

その頃の悪ふざけと今の悪ふざけの最大の違いはなんでしょうか。庵主はSNSなどのメディアによる拡
散力が最大の違いだと思っています。すなわち、行為が多くの人の目に触れることによって、直接的な
被害者=お店の経営者・企業の損失が拡大するおそれがあります。また、加害者もネットが炎上すること
よって自業自得とはいえ、被害を被るおそれが広がります。この点からも、危険極まりない行為であると
言えますね。

先日、あるTVのコメンテーターがこれだけ問題になっているのに何故次々と投稿する若者がいるのかと
いうような発言をしていました。理由は二つ考えられます。
1.学生に聞くとほとんどテレビ・新聞を見ていない。だから社会問題化していることに気づいてない。
2.愉快犯・確信犯的な動機がある。
庵主としてはどうも1の理由の方が大きいような気がします。

庵主は民法が専門なので、冷静に、損害賠償を行うと言っているブロンコビリーについて、どこまでの損
害が法律上認められるのかというところに興味があります。不法行為とすると、その行為と相当因果関係
のある損害まで請求できますが、閉店費用や将来の利益分はどうでしょう。ここまでは、難しいと思いま
すが、可能性は否定できません。
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Posted on 2013/08/31 Sat. 23:07 [edit]

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夏の期間は国会図書館に行っています。 

少しずつ涼しくなっています。
研究室のある山梨大学では、後期の講義開始が10月1日なので、それまでは大学以外の場所で
仕事をしている時間が長くなります。このあたり世間では誤解があるところですが、学生たちが夏休
みであっても、教職員は夏休みというわけではありません。

この時期、海外調査に行かれる先生や原稿を書かれる先生方も多いです。庵主は、今年は海外に
行かず、年内にある研究会報告2本分の準備と、今年初めて開講される講義の準備をしています。
以前触れたかもしれませんが、山梨大学は法学部がないため、大学内では資料が足りず、外部の
図書館に行ったり、資料の取り寄せをしなければなりません。

昨日と今日は、京都にある国立国会図書館関西館に行く予定になっています(今現在は実家で下
準備中。その合間の投稿です)。
この関西館はアジア文献が豊富なこと、
セルフコピーができること、
古い文献のデジタルデータを見ることができること、
それに個人的事情として、実家からそれほど遠くないので、宿代が不要なことから良く利用してい
ます。

詳しいことは、同館HPへ。 コチラ↓
http://www.ndl.go.jp/jp/service/kansai/

外観はこんな感じ(昨日の写真です。館内撮影禁止なので、外観のみ)。
コチラ↓
nathioal library2

national library1

とは言っても、甲府からは遠いので、毎度毎度行けるわけでもなく、講義のない8月・9月は、教員にとって
貴重な時間なんです。








Posted on 2013/08/30 Fri. 09:45 [edit]

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台湾人は親日家なのか? 

昨日は53日ぶりに猛暑日地点がゼロになったそうです。研究室のある甲府も多少過ごしやすい
一日でした。

さて、本日の朝日新聞朝刊(13版)に、日本植民地時代の呼称について「日治」か「日拠(據)」か
の論争が再燃しているという記事が掲載されました。同記事によると、ある出版社が新たに作った
歴史教科書で日本の植民地統治を「日拠」と表記したところ、この教科書が一旦不合格にされた
ことがきっかけに、政治家・政府、マスメディアで議論が生じたようです。

同記事でも指摘されていますが、「日拠」の「拠」には不法に占有する、立てこもるなどの意味があ
り、「日拠」はネガティブなニュアンスとなります。これに対し、「日治」は中立的な表現になります。
-ただいずれの言葉も、台湾の中国語辞書(東方出版社『新編東方国語辞典』)では見出し語に
なっていませんでした。

前回の国民党政権下での台湾では「日拠」が原則で、その後李登輝の登場により「日治」となり、
また国民党政権下となった現在今回の論争が生じたそうです。台湾に住む人々の中でも、対日感
情・対日歴史評価に微妙な違いがあるようです。

ところで、一般に台湾人は親日家で云々と言われることがあります。
庵主も年に1~2回、台湾法の文献・資料収集や単純な観光目的で台湾(主として台北)に行って
いますが、日本人に対する露骨な嫌がらせを受けたことはありませんし、しばしば日本語で話しか
けてくるお年寄りがいたりします(もちろん、中には客引きもいます)。
外国で日本語を聞くと、それだけでフレンドリーな感じを受けてしまうことがあるのですが、だからと
言って、一概に親日家とは言えないでしょう。

別の議論として、日本による統治時代に台湾の発展に寄与しており、台湾人は日本人に感謝して
いるのだ、との見解があります。これも、外省人(中共内戦敗退後台湾に逃げてきた国民党関係
者およびその子孫)にとっては全く関係ないですし、台湾人がそう思っているかにも疑問があります。

庵主の知り合いが台湾留学中に、台湾の少数民族調査のフィールドワークに出かけた時、聞き取
りをしたおじいさんは、最初のうち日本人にはひどい目にあったとの話をしていたのですが、日本人
がいると分かったとたん、日本語で中国人は嫌いだと知り合いだけに言ったそうです。
また、「狗去猪来」(うるさいが、多少は役に立った犬=日本人が去って、貪るだけの豚=国民党が
来た)と言葉も良く取り上げられたりします。

親日家云々はその程度のことなのかもしれません。希望的な見方は禁物です。

庵主は大学に籍を置いていることもありますし、日台の学生たちには、短期でも良いので、相手方
国に留学し、現地の人々に触れて欲しいと思っています。
実際、台湾から日本への留学生は、2000~3000人おり(留学ビザ発給人数。中華民国統計処重
要教育統計資訊「出国留学査証人数統計」)、日本からの台湾留学生もほぼ同数います(文部科
学省集計「日本人の海外留学状況」)。彼ら・彼女らが中心になって、台湾での親日家を増やして
もらうことを望みます。

ちなみに、wikipediaの「日本統治時代(台湾)」はコチラ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%B1%E6%B2%BB%E6%99%82%E4%BB%A3_(%E5%8F%B0%E6%B9%BE)

Posted on 2013/08/27 Tue. 14:28 [edit]

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被災地区での電気の復旧 

今朝の新聞によると、昨日25日に宮城県石巻市の被災地区に電気が通り、東日本大震災の
被災地(原発事故による避難区域を除く)の電気の復旧が完了したとこのとです。

例えば、本日付の朝日新聞朝刊(13版)は、次のように報道しています。
 【田中美保、日吉健吾】東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の長面(ながつら)地区と尾
  崎(おのざき)地区で25日、震災以来2年5カ月ぶりに電気がともった。東京電力福島第一
  原発の周辺を除き、最後の復旧となった。両地区は災害危険区域。この日、東北電力や子
  会社の従業員約150人が約4キロの架線工事をし、13戸への送電を再開した。仮設住宅
  で暮らす養殖業小川英樹さん(32)は、尾崎地区にある元の自宅近くの作業場で通電を確
  認。「震災前はたかが電気と思っていたが、大切さを知った。これからが新たなスタートです」。

不便な地域や送電インフラ被害の大きい地域もあったとは想像しますが、地震から2年以上を
要したということは、驚きです。また、地域住民の方のご苦労を想像すると、敬意を払わざるを
得ません。
一方、今後予想される太平洋岸の大きな地震のときにはどうなるか心配です。

ところで、今回の東北電力のような電力会社は、電気事業法という法律で、需要者に対して電
気を供給する-供給契約を締結する-義務を負っています(同法18条参照)。このような義務
があるから、どこでも電線を引いてくれるという話も出てくるわけです。
同じような義務は、都市ガス(ガス事業法)、水道(水道法)や電話(電気通信事業法) のよう
な基本的な生活インフラを供給する事業者に課されています。

庵主の専門とする民法の講義では、「契約自由の原則」という概念を必ず説明します。この原
則には、締結の自由、相手方選択の自由、内容の自由、方式の自由などが含まれますが、
これは資本主義経済体制を前提とした近代市民社会の基本的なルールとなっています。この
うち、契約を締結するか否か、換言すれば、あの人(会社)に対して権利を有し、義務を負うこと
を自ら選択するかどうか、はもっとも重要な自由です。
上記の法律では、電力会社に対してこれらの自由を制限していることになります。まあ、電力
会社も、妥当かどうかは別にして、その一方でいろいろな特典(特権)を享受しています。

もともと電力会社というのは資本主義経済の中では特異な存在であることもあって、今回の復
旧はもちろん、福島の廃炉の問題も、政府は、一企業の責任で、と片付けるものではないので
しょう。

Posted on 2013/08/26 Mon. 09:44 [edit]

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「決められない」は悪いのか? 

研究室の庵主は昨日まで軽井沢で合宿に行っていたので、土曜日に登校しています。
甲府から小淵沢経由の小海線というローカル線に乗って、おっちらと行って、ほっちらと帰って
きました。この路線は、日本で一番標高の高いところを走っているそうです。
 ※証拠写真(車内からの撮影につき、画像いまいち)はコチラ↓
野辺山

さて、合宿に行っている間に、日本経済新聞1面コラムの特集「大学は変われるか-「決める組織」へ
の4回シリーズが終了しました。一方当事者への取材あるいは意見しか取り上げていない、偏った特
集でしたが、日経新聞らしい取り上げ方と言えば言えなくもありません(新聞はテレビと違って法律上
の制限がない-放送法4条4号参照-ので、直ちに問題となることはないのでしょうが・・・)。
 ※日経新聞の特集記事
  8/20 教授会の「壁」破るには → 教授会制度の批判
  8/21 理想の学長をどう選ぶ → 学長の選出方法の批判(教授会制度の批判と似た趣旨)
  8/22 理事長の役割とは
  8/23 ガバナンス改革には 

上記の特集は大学の組織に関することでした。ただ、今回取り上げられた大学に限らず、「決められ
ない」ということが如何にも悪いことだとの論調を目にすることが増えました。この論調は、衆参両院で
与野党の勢力が逆転していた政治の世界から始まったものであり、しかもそう古い話ではないと記憶
しています。

では、本当に「決められない」ことは悪いことなのでしょうか。
まず、民主主義を標榜する政治の世界では、何らかの決定をする場合、多くの意見、立場の異なる人
たちが存在すること前提として、これらの人たちの意見・立場も尊重しながら、議論し、説得することが
求められているはずです。単に「決める」ことが重要なら、独裁制が最も確実な方法でしょう。
わざわざ、「決める」ことに手間や時間がかかる仕組みを先進各国が導入してるのは、よりましな方法
であることを経験的に学んできたからです。したがって、「決められない」を悪であるとすることには、疑
問を持っています。もちろん、政争のために「決めない」を利用することは、政治的な責任-次の選挙
に負ける-を負うことになります。

これに対し、営利企業-いわゆる会社-では、利益を獲得することが目標です。利益を素早く、かつ、
最大限獲得するための施策を適時に「決める」必要があるのです。したがって、「決められない」ことは
悪いことであり、「決める」ための組織、「決めた」ことを実践するための組織を作り、運営をすれば良い
のであて、ここに民主主義的要素を入れる必要はありません。
もちろん、社長がある施策を「決めたい」と思っても、その施策が企業にとって不適切なら、他の役員は
これを否決するよう、あるいはこのように社長を解任できるように制度的には考えられています。

大学については、企業と同じく、運営のためにお金を獲得する必要がある一方、企業よりも公共財とし
ての性格が強いので、「決められない」=悪と一概に言えないと思います。

Posted on 2013/08/24 Sat. 12:49 [edit]

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法学論文・記事での各種のお断り 

研究室の庵主はお盆休み明け初めての登校です。
いろいろ作業が溜まっていますが、明日からは研究会の合宿なので、ちゃっちゃと片付け
ないといけません。

さて、休み明けの移動中に目を通していた法律雑誌の記事(遠藤誠「世界の法制度〔欧州
編〕第5回 ロシア」国際商事法務41巻2号213頁以下)で筆者の遠藤弁護士が興味深い
後記を載せていました。
遠藤弁護士は、免責事項とのタイトルで、この記事は各国の法制度の一般的な紹介であっ
て、具体的な法律問題に関連して回答(ママ、庵主注=解答?)を求める場合は、専門家
に相談すること、記事の誤りに起因して損害を被っても筆者は責任を負わないこと、を断って
います。

後者の免責については、記事の内容からすると、当たり前のことだと思います。庵主もこの
ような後記を初めて見ましたし、具体的な紛争が生じたケースがあったのでしょうか。

よく見かけるお断り文言は、立法担当官による法令の解説や大手弁護士事務所の弁護士
さんが書いた論文・記事中に、意見にわたる部分は筆者の個人的見解であって、属する組
織の見解ではないという説明です。

たとえば、ナンバリング法の概要を説明した記事(藤井將人=大隅怜「行政手続における
特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)の概要」NBL1005号
12頁)では、「本稿中の意見にわたる部分については、筆者の個人的見解にすぎず、内
閣官房における公式見解でないことをあらかじめお断りしておく」との記載がありました。

立法担当官の意見は条文を解釈する際の制度趣旨を考える上の重要な事実になることが
あり、また、行政解釈も参考にすることがあるため、「立法担当官や行政庁はこう言ってい
るではないか」とのクレームル防止のためにお断り文言が必要なのかもしれません。民事
関連の法律の場合、行政解釈が重視されるのは労働法あるいは独禁法くらいで、庵主の
専門の民法などでは、参考程度なので、これらのお断りには多少の違和感があります。

また、弁護士さんの記事・論文では、訴訟の時に、相手方から以前貴方の事務所の先生が
論文でこう書いていると批判される(証拠で出させる)おそれがあるのでしょうか?それも杞
憂のような気がしてなりませんが、訴訟では何でもあり、とも言われているので、危険を回
避しておくに如くはないとのでしょう。

法学系の論文・記事では、このようなお断り文言が花盛りなのですが、理由としては、①宣
伝のため弁護士さんが積極的に執筆し、あるいは事務所から執筆させられるようになった、
②法律が次々制定されてきたので立法担当官が書く機会が増えた、という母数の増加が
考えられます。それならまだ良いのですが、予防線を張らなければ、トラブルに巻き込まれ
る危険が増えたのなら、暮らしにくい世の中です。ただそんな世の中の方が法律屋さんは
儲かるのですが・・・

かく言う庵主も、一度だけお断り文言を入れたことがあります。かなり前なのですが、企業
在職中にもかかわらず、労働法に関連するものを書いたときに、労働紛争で資料化される
ことを懸念して、個人的意見である旨のお断り文言を入れました。立場立場で言うことが
変わるんです。

Posted on 2013/08/21 Wed. 11:11 [edit]

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ワイン寄託契約に関する裁判例(札幌地裁平成24・6・7判決) 

庵主は今日も国会図書館に行っていました。パラパラと法律雑誌を見ていると、ワインの寄託契約に
関する裁判例を見つけました(以前も見た雑誌だと思うんだけど、前回見落としか?)。

ワインといえば、庵主の研究室のある山梨大学生命環境学部にはワイン研究センターという組織が
あります(8月4日付け「ワイン研究センター」でも紹介)。山梨名産は数あれど、梨大はワインに肩入
れしています。そこで、この札幌地裁の判決(札幌地判平成24・6・7判例タイムズ1382号200頁)を
紹介しておこうと思います。

まず、この判決の事案の概要と争点は次のとおりです。
[事案]Xは、平成11年4月に、札幌市白石区にワインセラーを所有するY倉庫会社との間でXが収
  集したワインをYのワインセラーで保管する契約を締結した。その契約において、ワインセラー内
  の温度を摂氏14度前後、湿度を75%前後に保つことなどを合意していました。
    平成18年6月に、Xの妻Aがこのワイセラーを訪れたところ、ワインを保管していたダンボール
  箱が水分を含み変形して潰れていたり、契約当時になかった仕切り壁や扉が設置されていまし
  た(この時点での保管ワインの本数800本)。Aは、同年11月、このワインセラーの管理状況に
  変化が見られないため、Y倉庫会社に説明を求めたところ、Y倉庫会社は温度・湿度の制御機
  器に狂いがあった上、毎日の温度・湿度チェックをしておらず、低温度高湿度状態に気づかな
  かったことを認めました。このとき、双方が立会いでワインセラー内の温度が摂氏10度、湿度が
  89%であり、ワインのラベルやキャップシールにカビが発生していたことが確認されています。
    この確認後、Aはカビがひどくない半数は自宅に持ち帰り、残りは隣室に保管することとし、
  後日専門家による被害状況の確認や代替品の探索を行うこととなりました。
    しかし、平成19年4月になってもY会社から連絡がなかったため、Aが問い合わせたところ、
  専門家が手配できなかったため、被害状況の確認・代替品の探索を行わないとの回答があっ
  たため、同年10月に寄託していたワインを引き上げました。なお、保管料は平成18年10月以
  降は支払っていません(一旦引き落とされた分は後日返還あり)。
    X(原告)はY倉庫会社(被告)を相手取って損害の賠償を求めました。    
[争点]①Y倉庫会社に管理者としての注意義務違反があったのか?
    ②Xの損害額はいくらか?

庵主のようなワインの素人(庵主はワインを飲むと激しく酔っ払うので、やや苦手)でも、ワインの
保管はセンシティブであることは耳学問しています。ワインセラーを謳いながら、Y倉庫会社の実
際保管は杜撰だったようです。

札幌地裁も寄託契約の内容であった温度と湿度に注目し、Y倉庫会社の契約違反を認定しまし
た。判決本文は、「本件ワインセラーないの湿度については、<中略>、保管しているダンボール
が水気を含んで変形している状況は、湿度75パーセント前後での湿度管理を表明していること
と整合するとはいえず、また、温度については、高すぎても低すぎてもワインの成熟に影響を与
え、味わいは(ママ)風味が変化する可能性があると考えられることからすると、10度位まで下が
った可能性がある本件では、14度前後で管理すると表明していることと整合しないのであって、
上記のような本件ワインセラー内の温度や湿度、その状況が被告から原告に明示されていたと
すれば、原告は、わざわざ料金を支払って本件ワインセラーの利用をすることはないといえる」と
し、義務違反を認定しました(争点①)。

また、同地裁は、ワインの保管に適するとされる温度・湿度については、いろいろな見解があっ
て(XもYもいろいろな証拠を出しています。)、今回の保管状況でワインが毀損した-損害が発
生した-ことは認めず、ただ、このような保管状況なら契約を解約する等して、きちんと温湿度の
管理ができていなかったと認められる平成18年1月以降の保管料を支払う必要がなかった可能
性があるとして、その額を損害額としました。

有償の寄託契約では、受寄者(=保管者)が約定に従って、善良な管理者の注意をもって保管
することが必要です(民法400条参照)。しかし、今回のY会社の保管状況では、契約を遵守して
いるとはいい難く、その状況下で、ワインが毀損したかどうかがはっきりしないケースでした。
実際、このワインをテイスティングしたAもほとんどのワインにうま味、風味に変わりがなかったと
証言しています。
庵主がテイスティングしても違いは分からないでしょう(私は関係ないか・・・)。

裁判所としては、Y倉庫会社に何か賠償させなければならないという前提の苦心の判決だった
のかもしれません。


Posted on 2013/08/19 Mon. 23:38 [edit]

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死者と民法 

お盆休みも今日で終わり、明日からお仕事の方も多いのではないでしょうか。
研究室の庵主は、明日は図書館に行き、明後日以降に甲府に出勤しようと思っています。

さて、週刊現代の新聞広告を見ていると、死後の世界は必ずあるので怖がるなという、夏向きの文句
が踊っていました。庵主が専門とする民法では、人は死亡によって、市民社会あるいは経済社会の当
事者としての地位を失い、既存の契約関係や財産関係は相続等によって処理されます。
この点、第二次世界大戦後の混乱期に発生した「光クラブ事件」の首謀者である東大生・山崎晃嗣が
自殺する際に残した「貸借法はすべて清算カリ自殺」や「契約は人間と人間との間を拘束するもので、
死体という物体には適用されぬ」などがこのルールを物語っています。
 ※光クラブ事件に関するwikipediaの記事 コチラ↓
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E4%BA%8B%E4%BB%B6

しかし、民法上も死者が顔を出してくることがあります。
たとえば、民法897条(祭祀に関する権利の承継)では、慣習に従って先祖ー当然死者です-の祭祀
を主宰すべき者が系譜、祭具、墳墓などの祭祀用財産の権利を承継するとなっています。また、親子
関係に関して、当事者が死亡しているときでも、訴えが可能な場合があります(死亡した子の認知-
民法783条、など)。
これらと違う種類の問題としては、購入(賃借?)した物件に幽霊が出ることを理由として契約解除、
損害賠償を求める事例があったと聞いています(庵主未確認)。

民法としては、死んでもこの世の財産関係に影響を与える限りにおいては、安からに休んでもらうわけ
には行きませんよと言っているようです。やはり幽霊より、生きている人間の方が恐ろしいということで
しょうか。合掌

Posted on 2013/08/18 Sun. 17:05 [edit]

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『はだしのゲン』の閉架要請~パターナリズムの危険性 

昨夜、京都五山の送り火も終わり、夏休みも後半です。
京都大学の学生だったときは、理学部の屋上から大文字を見ていました。

さて、そんな折、松江市教育委員会が市内の小中学校に対して、学校図書館所蔵の故・中沢啓治さん
の『はだしのゲン』を閉架するように要請したとの報道がありました。たとえば、読売新聞(読売ONLINE)
の記事は、次のようになっています(抄録)。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20130816-OYT1T00913.htm

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 漫画家・中沢啓治さんの代表作「はだしのゲン」の描写が過激だとして、松江市教委が、子どもが閲
覧する際は教員の許可が必要な「閉架」にするよう全市立小中学校(49校)に要請していたことがわ
かった。
 文部科学省は「こうした例は聞いたことがない」としている。
 市教委によると、昨年度で39校が図書室に所蔵。作品には、旧日本軍が人の首をはねたり、女性
に乱暴したりする場面があることから、市民から撤去を求める声が上がり、市教委が昨年12月、全校
に要請した。
 古川康徳・副教育長は「立派な作品だが、表現が教育上、不適切。平和学習に使う場合は教員が
解説を加えるべきだ」としている。
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小中学生であっても出版物やその他の表現に触れる権利はあるのですが、それを市教委が子供たち
のために(という名目・理由で?)介入・干渉しているわけです。
法学の世界では、このような介入・干渉のことを法的パターナリズム(父権主義、家父長主義)と言い、
個人の自己決定や自立を侵害している場合でも、正当化と認める場合があります。報道を見る限り、
今回の市教委の説明は何を言っているのか良く分かりませんが、法学徒としてはこのパターナリズム
の観点から考えてゆく必要もあります。

このパターナリズムというのは厄介で、介入・干渉する側が弱者保護や社会正義などの正当性を振り
かざしつつ、他人の権利や行為に介入・干渉をしてきます。そのため、その介入・干渉が本当に正当
な目的、妥当な手段なのかを厳密に検証しないと、行政による単なる恣意的な権利侵害を正当化す
る考え方に成り下がってしまいます。

日本では古来地獄絵の絵解きを子供に聞かすことが行われてきました。地獄絵の描写もかなりグロい
ですよね。しかし、そのグロさが子供の心に強く刻まれ、(多少抹香臭いとはいえ)倫理観を養う手段と
して利用されてきました。
庵主は『はだしのゲン』の全巻は読んでいません(ゲンのお母さんが出産したあたりまで)が、地獄絵
に通じるもの子供ながらに感じたことを思い出します。教育的効果の高い本であることは異論はない
ようなので、なおのこと市教委の安易な対応が気になります。

市教委は、具体的に何が問題であって、また、今回の措置で失われるものと守られるものは何なの
かについて説明責任を果たしてもらいたいと思います。その上で、学校、地域、保護者、行政などで
改めて議論してもらうことを希望しています。

最後に、今回の要請のきっかけは、描写された日本軍の残虐行為が子供に誤解を与えるので、学校
図書館から撤去してほしいとの市議会に陳情があったことのようです。日本軍云々の問題も重要なポ
イントだと思いますが、市教委の措置の是非とは別に議論すべきでしょう。




Posted on 2013/08/17 Sat. 11:58 [edit]

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ジブリ映画への禁煙団体からの苦言 

今日は8月15日です。「終戦記念日」です。
「終戦」でも間違いはないのですが、「敗戦」との表現の方がその後の日本の動きを見ると誤解がない
ような気がします。まあ、それぞれの立場があるのでしょう。

さて、ここ数日、ネット上を中心として、日本禁煙学会という団体がスタジオ・ジブリの新作映画「風立ち
ぬ」の喫煙場面に関して送付・公開した要望書をめぐり、議論となっているようです。
庵主はこの映画を見ておらず、正否の決め付けは避けたいと思います。ただ、同学会の要望書を見て、
「あぁ~」と思うことがあったので、ちょいいと書いておきたいと思います。
 ※同学会要望書 コチラ↓ 
   http://www.nosmoke55.jp/action/1308kazetatinu.pdf  

同学会の文書のタイトルこそ要望となっていますが、その文中には条約違反や法律違反(のおそれ)と
いういう表現が何度も出てきます。この文書では、正義は禁煙学会にあり、ジブリ側は正義に悖る行為
をしているのだとの主張であると受け止められるおそれがあります(禁煙学会は実際そのようにお考え
かも知れません。)。しかし、このような内容の文書-手紙-には次のような問題点があります。
1.法律違反の主張を前面に出すと、違反の有無が論点となり、問題のすり替えが起きる。
2.相手方を一方的に非難することから、両者の対立・対決の図式となる。そのため、この問題を協同し
 て解決したり、より良いものの作製に当たることが難しくなるおそれがある。
3.第三者の目に触れるため、日本人的法感覚から生じる世間からの反発のおそれがある。
4.対象が映画であり、表現の自由との関係で微妙な問題が出てくる。
最初の2つが一般的な問題、後の2つが今回特有の問題です。

一般的な問題の部分に関する出来事は、研究室の庵主が企業在職中にもたまにありました。たとえば、
ある外資系企業に対し自社製品の値上げを求めたとき、同社から差別的取扱いあるいはボイコットであ
り、独禁法に違反すると非公式に申し入れがあったことがあります。
このときの自社製品のシェアはさほど高いものでもなく、他社製品も容易に仕入れることができる状況
では、独禁法(不公正な取引方法)に該当するおそれはないと判断したのですが、独禁法の解釈問題
を相手と議論をするのは面倒だし、場合によっては弁護士コストなど掛かってしまうなとの懸念がありま
した。そのため、担当者には法律上の議論とならないように誘導しつつ、こちらの考え方を説明して、解
決するように依頼をしました。
法律云々はある意味最終兵器なので、最初から使うものではないと思います。

禁煙学会の狙いが喧嘩を売って、社会の注目を集めることにあるのなら、今回の要望書の内容でも
可です。しかし、禁煙学会の意図がそうでないならば、今回の文書は適切なものとは言えません。

Posted on 2013/08/15 Thu. 09:25 [edit]

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七夕情人節 

庵主は今日は私用で神戸に行ってきました。

さて、今日8月13日は何の日でしょう。
答えは、「怪談の日」。

それも正解なんですが、今日は太陰暦(農暦)7月7日なので、中華圏では七夕(情人節)です。いわゆる
七夕(たなばた)ですね。この日が恋人たちの日になったのは、牽牛・織姫の故事からです。

一方、大都市では2月14日のバレンタインデーも情人節として、男性が女性にバラの花束などをプレゼン
トしたり、ご飯をご馳走するイベントがあります。庵主が今年の2月に上海に行ったときには、陝西南路に
あるファッションビルの百盛の玄関に「愛の日」という日本語が書かれた大きな看板があったりしました。

このあたり、友人の中国人・台湾人に詳しく聞いたことはないのですが、男性から女性へのプレゼントとい
うありがちな形態なので、日本のように盛り上がっていないような印象です。

あと、13日から月遅れのお盆ですね。

Posted on 2013/08/13 Tue. 21:29 [edit]

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原稿提出までは休めない 

先ほどやっと、原稿(差し替え稿)のデータを送信できました。研究室の庵主もこれで本格的なお盆休みを
迎えることができます。

ご承知のとおり大学の教員には、教師としての立場、学校運営者としての立場のほかに、研究者としての
立場があります。これは庵主のように企業からスピンアウトしてきた者でも同じです。
そのため、教員免許(庵主も大学生の頃、高校教員の免許取得を検討しましたが、勉強が嫌いだったので
断念!)もないのに、大手を振って学生を指導しているんですね。

研究者としての立場からのアウトプットの代表的なものが論文といわれるものです。生粋の研究者教員
は、養成段階である大学院生時代から論文を書き始めているので、かなりの本数の論文を書いている人
もいます。大学に教員として就職する場合、研究業績としてこれら論文の本数・内容・掲載誌などの評価
を受けることになります。

ところで、サラリーマンの中にも将来は大学教員になりたいという人がたまにいます。企業から大学の法学
教員になる場合、2種類あるということを以前のブログで指摘しました(2013年7月24日付け「企業出身の
法学教員?」)。このうち、官公庁や超一流企業で地位を極めて、大学から招聘された人以外は、この研
究業績のあることが必要条件となります。招聘人材以外は、意図するか否かにかかわらず、生粋の研究
者と教員ポストを争う結果になることを考えれば、ある意味当然でしょう。
また、招聘人材でも多くの業績をお持ちの方もいらっしゃるし、ない場合は少しくらい論文がないと恥ずかし
いよね、と考える人も少なくないため、無理やりどこかに原稿を載せてもらうケースも見てきました。

では、企業に居ながらにして、論文を書くことができるでしょうか?
理系と違って、法学を含む文系では実際のところほとんど機会はありません。経済団体や実務系出版社
から会社を通じて、原稿依頼を受ける場合もありますが、あまり期待はできません。確実なのは、出版社
や学会に顔の効く大学の先生と仲良くなって、研究会・学会に入れてもらい、そこでの活動を通じて執筆
機会を得るということだと思います。あるいは出版社の人と仲良くなるという手もあります。庵主も人間関
係を通じて、研究業績を増やしました。
これらの人間(研究)関係を構築するという点から大学院に入学するということも視野に入れておくべきで
すね-学費はかかりますが、一種の趣味と割り切りましょう。

しかし、企業に居ながら論文を書いていると、必ずしもいい顔はされないおそれがあります。庵主の先輩で
も他部門の役員さんからクレームが来たため、ペンネームで執筆した方もいます。もしそれが嫌なら、余計
なことは考えず、会社で出世して、大学から招聘される人になるか(官公庁か超一流企業在職の場合)、
法学分野で大学教員になろうと考えるのは止めた方が賢明でしょう。



Posted on 2013/08/12 Mon. 16:43 [edit]

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【残暑お見舞い】甲府の暑さ 

昨日、庵主の研究室のある甲府市で、最高気温40.7度を記録したそうです。庵主は既に帰省して
いるので、体験せずに済みました。

今年の甲府は全国的に見ても気温が高く、日本一暑い!を宣伝文句にしている館林市などを上回る
日がありました。梅雨明けに気温が日本で一番っとなた日に、生粋の山梨県人である大学の職員
さんが「熊谷、多治見に勝ったよ~」と汗をかきながら、自慢しておられました。日本一は基本的に喜
ばしいことなんですね。
それに、今年から甲府に来た庵主に対しては、大学の職員さんだけでなく、実は山梨出身だった旧
知の方々から、甲府の夏は暑いよ~と楽しげに警告されてきました。暑さ自慢満開です。

さて、甲府の暑さですが、山梨地方気象台によると気温はほぼ全国平均値だそうで(15度とのこと)、
全国一位を争っているのは奇異な感じがします。ただ、盆地という地形から、一日の間の気温差が
大きく、また、フェーン現象が起きやすかったりするため、平均気温が同じでも、最高気温が高くなる
傾向があるようです。その上、日照時間が長く(雨が少なく)、風が弱いことも影響しているようです。
 ※山梨地方気象台による「山梨県の気候特性」 コチラ↓
 http://www.jma-net.go.jp/kofu/menu/kikou.html

そんな山梨ですが、庵主の住んでいる大学宿舎(昔風にいうと官舎)にはエアコンがありません。
夜になると急に気温が下がり、夜にしか宿舎いない庵主は、扇風機だけで暮らしています。これは、
夏前に同僚の先生からヒアリングして、そうしました。
あっちもこっちも地面が出ているし、高い建物の少ない田舎は、風が通って、夜は涼しくなって、大
丈夫なんですね。

まとまりなく終わります。残暑厳しい折、皆様どうぞご自愛のほど。

Posted on 2013/08/11 Sun. 14:40 [edit]

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大阪市立大学長に関する橋下市長の発言 

研究室の庵主は、猛暑の中、調べものをして過ごしておりました。

ほとんどニュースにならなかったのですが、昨日橋下徹大阪市長が大阪市立大学の学長について
面白い発言をしていたので、庵主の専門外なのですが、ちょっと考えて見ましょう。

朝日新聞デジタルの記事によると、大阪市大では従来大学の教職員による選挙結果に基づき学長
が選ばれていたとのことですが、橋下徹大阪市長は9日、「ふざけたこと。そんなのは許さん。学長
を選ぶのは市長であり、選考会議だ」と述べ、今秋にも想定される西沢学長の後任学長に対する
選挙を認めない考えを示したそうです。また、橋下市長は、「(学長は)選考会議で選ぶが、選考会
議に僕の意見を反映させる。それが民主主義だ。何の責任もない教職員にトップを選ぶ権限を与え
たらどうなるのか。研究内容に政治がああだこうだと言うのは大学の自治の問題になるが、人事を
やるのは当たり前の話だ」とも述べた、とされています。
http://www.asahi.com/politics/update/0809/OSK201308090040.html

まず、橋下市長の発言のうち、正当な意見の部分を取り上げます。
地方独立行政法人法や大阪市立大学の定款によると、設立団体の長である大阪市長が、選考会
議という大学内に設置される機関からの申し出に基づき任命するものとされています。法的な任命
権が橋下市長にあるのは明らかです。また、学長は行政的な仕事が多く、その点からも橋下市長
の発言には妥当性があります。
 地方独立行政法人法の法文→ http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO118.html

一方、問題になるのは、上記の橋下市長の発言にもある、大学の自治との関係です。
橋下市長は、研究内容云々に触れていますが、それは学問の自由(憲法23条)から直接導かれ
るもので、大学の自治とは直接に関係しません。大学の自治は、学長を含む教員の人事に関する
自治を中心として、大学の自主的な運営を認めることにより、制度として学問の自由の保障するも
のであると考えられてきました。そのため、上記の橋下市長の発言の引用が正しければ、どうも議
論が混乱しているようです。

法的な任命権と人事に関する自治の妥協点、あるいは行政・政治と大学双方の先人たちの知恵
が、教職員による選挙を事前に入れることだったような気がします。制度を慌てて変えることは、な
いのではないかと思う次第です。学長選挙を含めて、自由な雰囲気を残す方が結果的には研究
成果や教育成果が上がると思うのですが・・・どうでしょう。

ちなみに庵主の大学では、ちょうど赴任する前に学長が交代したところなので、どのようなルール
なのかを庵主は知りません。
 
[追記]
橋下市長がタレントとしてテレビを席捲し始めた頃、大阪弁護士会所属の知り合いの弁護士さん
に「どうよ?」って聞いたことがあります。かの弁護士さん曰く、弁護士の職域を広げてくれている
と橋下“弁護士”に対して肯定的な評価をされていました。政治家は弁護士の伝統的な転身先な
ので、もう広げていませんね。

Posted on 2013/08/10 Sat. 20:20 [edit]

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教科書・参考書・副教材の選定 

研究室の庵主は本日は国会図書館に篭っていました。原稿を仕上げるため、ちょっと論文を見て
いました。

図書館に行ったついでに必ずする作業として、法律雑誌のチェックがあります。研究室のある山梨
大学には法学部がなく、また予算が潤沢とというわけではないため、悲しいかな、主要な法律雑誌
でもないものがあります。そこで、大きな図書館に行ったときには、必ずこの作業をします。

最近は、そのほか、来年度から始まるゼミに向けて、準教科書、あるいは参考書になる本の選定
をしています。庵主のいる生命環境学部地域社会システム学科では、法学を専門に学習する学生
はいないはずなので、次の範囲で調査・報告してもらおうかなと思っています。
(3年生前期)
 素材:新聞、その他
 参考書:法学部生が使う教科書レベルのもの1冊
(3年生後期)
 参考書:法学部生が使う教科書レベルのもの1冊
 副教材:判例百選、民法の争点
(4年生)
 参考書:法学部生が使う教科書レベルのもの数冊
 論文:法学セミナー(日本評論社)、法学教室(有斐閣)に掲載のもの
 副教材:判例百選、民法の争点、重要判例(以上有斐閣)

法学部生の使う教科書は、庵主の知り合いも共著で書いていたりするのですが、共著本はいま
ひとつなので、有名な先生の単著本の教科書にしようと考えています。ちょっと前なら、旧司法
試験受験生ご愛用とされた内田貴先生の教科書なのでしょうが、最近はどうなんでしょう。

実際新しい本は沢山出版されているのですが、庵主は業界でまだまだ無名なので、受身の献
本に与ることは少なく、研究費あるは自腹で購入、あるいは図書館での確認(本屋の立ち読み
は、足腰が辛い)になります。

推薦本があったら情報お待ちしています。



Posted on 2013/08/09 Fri. 17:53 [edit]

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常回家看看していますか? 

前期の校務もだいたい終了し、庵主は国会図書館に行くことも兼ねて、明日からお盆の帰省を
します。

中国では、先月7月1日から改正老人権益保障法が施行され、一部日本のメディアでも伝えられ
たり、ブログで紹介されたりしました。たとえば、7月3日付けの読売新聞onlineでは、以下のよう
な記事が紹介されています。http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=80634

【上海=鈴木隆弘】中国で1日に施行された高齢者の権利を定める改正老人権益保障法に「高
齢者と別居する家族は、常に実家へ戻り、高齢者に会いに行くべきだ」との条文が盛り込まれ、
物議を醸している。
 上海紙・新聞晨報などによると、江蘇省無錫の裁判所は1日、女性(77)が娘と娘婿に対し自
分に会いに来るよう求めた訴訟で、改正法を過去に遡って適用し、「2か月に1回は戻るべきだ」
との判決を下した。裁判官は「親は強制執行を求められる」との意見もつけた。
 判決を受け、法改正に携わった専門家は「法の趣旨は奨励であり義務でない」と慌てて見解を
示した。罰則規定もない。子供の側からは「仕事で帰郷する時間がない」「現実離れした法律だ」
との声が続出した。
 一人っ子政策などで少子高齢化が一気に進んだ中国では60歳以上の人口が約14%を占め
る。独居や病気の高齢者の世話が社会的課題に急浮上している。今回の法改正は、家族に責
任分担を促すのが狙いだった。

この報道が出た頃に庵主は北京で中国人弁護士の人たちと食事をする機会があり、ある弁護士
は、ここにいる弁護士は全員“常回家看看”に違反していますよ、と笑っておられました。

ところで、問題となった老人権益保障法(正式名称:老年人权益保障法)18条1項・2項は、どの
ような規定なのでしょうか。拙訳すると、次のようになります。
「1 親族は老人(庵主中:60歳以上の公民=同法2条)の望むものに関心を払うべきであり、老
  人を軽んじ、粗末に扱うことができない。
 2 老人と別居している親族は、常に老人のご機嫌を伺うものとする。」

130807_131722.jpg

上記の無錫での判決の後も、各地の人民法院にこの条項に基づく老人への訪問を求めた事件
判決が出ています。7月31日付けの東方網の記事によると、山東省莱陽市、重慶、四川省大邑
県、成都市での事件を紹介しています。ちなみに、莱陽市では3か月に1回、成都市では毎月で
との結論になったようです。ネット情報からでも、それ以外にもあちらこちらで勃発していることが
わかります。

日本以上に高齢化が急速に進む中国での同法の動向に興味もって見てゆきたいと思います。変
わったことがあれば、またブログで・・・

Posted on 2013/08/07 Wed. 13:27 [edit]

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第68回広島原爆忌 

今日8月6日は、広島に原子爆弾が投下された日です。
庵主は広島大学や広島経済大学の先生と一緒に研究することが多いので、広島は年に何回も訪問し、
非常に身近に感じています。

最初の広島訪問は、高校生の修学旅行でしたが、能天気な世代だったので、あまり記憶にありません。
その次は、大学生の頃に京大生協の組合員代表として大学生協連からの原水爆禁止世界大会への参
加でした。しかし、この日の広島は市内大渋滞で、8時15分原爆投下時刻の黙祷は移動中のバス中で
行った記憶があります。

庵主が大学生だったころは、東西冷戦の真っただ中で、軍拡競争が進んでいる時期でした。その時代背
景も、あって危機感も高かったようです。そのような危機感の中、故・高坂正堯教授(1934年-1996年)の
講義で聞いた「相互確証破壊の理論」というのが印象に残っています。
正確には説明できないのですが、確か、二極対立した国際世界では、相互に相手を確実に壊滅させるだ
けの兵器(核兵器)を両国が保有することによって安定するのだ、だっと思います。

この理論も核実験で被爆した兵士・民間人、そして爆死した広島市民の犠牲の上に成り立った理論なの
ですが、彼らの声は反映されていません。


三井物産時代の恩人による本日のFACEBOOKの投稿です。
 当時女学校の生徒だった岳父の妹は、勤労奉仕に行くのをその日に限り珍しく渋った。祖母は「そんな
非国民みたいなこと・・・」と言って無理やり送り出した。8:15分ピカ!広島駅近くの家にようやくたどり着
いた叔母は熱線による火傷ははなかったものの爆風で結んでいたおさげ髪はほどけ、総毛立っていた。
逃げる時に履いていたズックは溶け、足裏には溶けたアスファルトがべったりと、厚さ10センチも張り付
いていた。それから数日後放射線障害で死んだ。家族に看取られて死んだのはせめてもの幸せであった。
祖母はその日に限り嫌がる娘を送り出したことを死ぬまで悔やんでいたそうである。黙祷。



Posted on 2013/08/06 Tue. 10:42 [edit]

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県民コミュニティカレッジに出講 

夏のオープンキャンパスも終わったので、ブログ名称も変更します。髪を短く切って、すっきり
といったところです。

さて、研究室のある山梨大学や山梨学院大学、都留文科大学など山梨県内にキャンパスの
ある大学で組織する、大学コンソーシアムやまなしの主催で「2013県民コミュニティカレッジ」
が開催されます。
PDFパンフレットはこちら↓
http://www.ucon-yamanashi.jp/_src/sc693/H25CC_pamph.pdf

梨大からは、庵主の所属する生命環境学部地域社会システム学科の教授全員にご下命が
あり、庵主も10月30日に出講することになりました。大学としては、いまいち埋没している
学科の宣伝&地域貢献を狙っているようです。

ところが、庵主の専門である民事法だと、地域独自の問題点が抽出しづらく、受講者(多くは
向学心・知的好奇心をお持ちの年配の方)にとって興味のあるお話ができるか正直懸念があ
るところです。パンフレット作成のため急かされて考えた結果、現在進行中の民法改正議論
のうち個人保証をめぐる議論の動向を取り上げてみようと思っています。

テレビの法律相談番組のように興味をそそる演出は難しいので、受講者の眠気を誘うおそれ
がありますが、同僚の大山先生と2人なので、辛抱して頂く時間は短かいのがなによりです。

Posted on 2013/08/05 Mon. 08:49 [edit]

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ワイン研究センター 

昨日オープンキャンパス本番が終わりました。昨日まで2日ほど本業ができなかったの
で、日曜日ですが大学へ登校しています。

昨日のオープンキャンパスでは、同じ学部(学科は違う)である鈴木先生とごあいさつする
機会がありました。鈴木先生は生命環境学部の売りである、ワインの研究をされており、
公式ホームページ、ブログやフェースブックで情報発信されているので、こちらが把握して
いるURL一度ご紹介しておきたいと思います。

○山梨大学生命環境学部ワイン研究センター果実遺伝子工学研究部門 公式HP
http://www.wine.yamanashi.ac.jp/fruitgenetic/index.htm

○山梨大学生命環境学部ワイン研究センター果実遺伝子工学研究部門 公式ブログ
http://fruitgenetic.at.webry.info/

この学部はワイン研究が売りで、ブランドワインも売っています。しかし、庵主はワインを飲
むと激しく酔っ払う(ほかの醸造酒でも同じ・・・)ので、自主的には飲みません。鈴木先生
ごめんなさい。

でも、お遣いものには使っています。たとえば、↓
http://www.yamanashi.ac.jp/modules/original_goods/index.php?content_id=3

京都大と三井物産で先輩だった方の奥さんが山梨のワイン農家のご出身だった関係で、
社会人になってから初めて山梨特産・一升瓶ワインを知ったくらいです(庵主の出身の関
西では当然売っていません)。こんな庵主なので、大学名も入って、山梨でしか売ってい
ないし、普通のフルボトルなので、お遣い物として重宝しています。

Posted on 2013/08/04 Sun. 10:31 [edit]

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いよいよオープンキャンパス 

山梨大学生命環境学部では、ながながPRしてきたオープンキャンパスがいよいよ明日開催となりま
した。大学では午後からその準備があるので、庵主も登校しています。

庵主の研究室は、理系学部の中に存在する文系中心の学部なので、高校生が興味を引くであろう
プレゼンができないことは、ちょっとつらいです。また、多額の予算を取っている私立大学と違い、来
校者にたくさんのプレゼントを渡したり、饗応できないことも、つらいところです。
ただ、一方で、オープンキャンパスと受験生・入学者との間に関連性はなく、気合入れすぎはどうよ、
っという意見があったりもします。

受験生増加という短期的経営目標はさておき、これから社会に出てゆく高校生の年代の人たちに身
近に感じてもらうことは地方国立大学として長期的には有益なので、限られた予算・人員の中でみな
さんをお迎えしたいと思っています。
パンフレット再度掲載↓

OCパンフ


Posted on 2013/08/02 Fri. 10:09 [edit]

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2013-08