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二次利用の事前許諾をしている実話怪談(中) 

夏至が過ぎたと思ったら、梅雨まで開けてしまいました。
研究室がある山梨も、梅雨明けから立秋までが一番暑いので、それが長期間続くと体調もおかしくなりそうです。

今朝の南アルプスの様子↓ 雪渓が少しだけ残っているようです。
20220628風景

さて、神沼三平太さんの『千粒怪談 残穢』(竹書房)で許諾されている二次利用の話の続きです。

書影再掲
千粒怪談1

まず、著作権法では、著作権者に著作物の複製(同法21条)、口述(同法24条)、翻案(同法27条)などの権利を専有されるとしています。そして、これらの権利を侵害すると、民事上の責任だけでなく、刑事責任を問われることもあります。

ところで、同書の告知には、二次利用について、脚色してのリライト、朗読、小説化、コミカライズが例示されています。

この例示と著作権とを比較すると、
・脚色してのリライト 翻案
・朗読 口述
・小説化 翻案
・コミカライズ 翻案

にそれぞれ該当します。本書の告知は、これらの行為を著作権者が予め許諾したことになるのですね。許諾を受けていれば、翻案や口述をしても、著作権の侵害にはなりません。

ところで、翻案という用語は聞きなれないかもしれませんね。
少し難しい言い回しですが、翻案に関する最高裁の説示を引用しておきましょう。
言語の著作物の翻案とは、既存の著作物に依拠し(元の著作物に現実にアクセスし、これを参考にして別の著作物を作成すること)、「かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現することにより、これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為をいう」としてます(最判平成13・6・28民集55巻4号837頁-江差追分事件最高裁判決)。

そうすると上の二次利用の例示のうちリライトは、脚色してあることが大事であり、しかもその脚色は二次利用者が具体的な表現として新たな創作をすること必要となります。また、リライト作品に接した人が創作的表現の共通性により本書(の元の話)を直接感得できる必要があることになります。

二次利用についてはこれくらいにして、次回は、同書の告知にみなし同意とされた使用条件について、見てみましょう。

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Posted on 2022/06/28 Tue. 13:18 [edit]

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二次利用の事前許諾をしている実話怪談(前) 

ちょっと更新が滞ってしまいました。
そんな間に夏至も過ぎ、昼間の時間は短くなってきているはずですが、研究室のある甲府は暑さが本格的になってきました。

今朝の南アルプスの様子はコチラ↓ 雲は多めです。
20220624風景

さて、先日ジュンク堂でちらちら本を漁っているときに、非常に興味深い本を見つけました。

見つけた本の書影はコチラ↓ ちょっとおどろおどろしいですね。
千粒怪談1

神沼三平太『千粒怪談 雑穢』(竹書房)です。
竹書房のいわゆる実話怪談本といわれるものの一冊ですが、3行の怪異譚が1000本も入っているということで、1人1本ずつ読んでいくと、2年8か月かかるそうです。

そこに興味を惹かれたわけではなく、この本は公式に翻案等の二次利用の許諾を出しているという点に興味を惹かれました。

その部分はコチラ↓ ちょっと見づらいですね。
千粒怪談3

そこで、内容を書き写してみましょ。

二次利用と使用報告に関するお願い
 神沼三平太『千粒怪談 雑穢』では、作品出典を明記すること及び、使用報告を条件として、個人が収録作を脚色してのリライト、朗読、小説化、コミカライズ、その他の二次利用を行うことを許諾しています。
 収録作品の利用に当っては以下の報告フォームから、使用報告をお願いします。これは不正利用の嫌疑から利用者を守るための手続きであり、報告された内容がそれ以外の目的で使用されることはありません。
 また、フォームから登録してことで、以下の使用条件に合意したものとします。

 ・収録作品をリライトなどの加工を行わずにそのまま転載することはできません。
 ・収録作品を出典の明記なしに使用することはできません。
 ・収録作品の著作権は神沼三平太に帰属します。
 ・収録作品を元に制作された各作品の著作権は、それぞれの制作者に帰属します。

 https://forms.gle/91o8z1GB5RkjB7Bd6


どういうことか分からないかもしれませんね。
著作権法が関係し、話が長くなりそうなので、つづきは次回以降に

<つづく>

Posted on 2022/06/24 Fri. 11:17 [edit]

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げに強(恐)力な国税徴収法 

研究室の庵主は、今週半ばに人生2回目のPCR検査を数か月ぶりに受ける事態になってしまいました(結果は陰性)。
医学部のある大学にいるとこういう時は気が楽です。
そんなこんなで、いろいろと予定が狂った一週間も終わろうとしています。

今朝の南アルプスの様子↓ 寒冷渦による大雨も明け、急速に天気が回復中です。
20220527風景

さて、テレビでは寝ても覚めても、山口県阿武町の話題をやっています。
もっと報道すべきことがあるように考えていますが、それはさておき、阿武町の事件で突如「 国税徴収法 」が注目を集めているようです。
庵主が企業で債権管理を担当していたときに、この法律には何度も痛い目にあっています。

テレビでも専門家が出てきて解説しており、繰り返しにはなりますが、企業実務から見た国税徴収法の強力ポイントを3つあげておきたいと思います。

【強力ポイントその1】原則として国税債権は企業間等の取引債権に優先して徴収できる。
国税徴収法では、原則として国税および地方税、社会保険料、取引債権の順番に回収ができるとされています(国税徴収法8条、12条、13条、26条、厚生年金保険法88条など)。そのため、取引債権者としては、国税債権等よりも先に、懐に入れてしまわないかぎり、同じ土俵で勝負しても、勝つことはありません。

【強力ポイント2】担保を確保していても、国税債権等に負けることがある。
強力ポイント1の例外として、企業が担保として債務者の財産を確保し、その財産に対し国税債権等が徴収にしようとした場合があります。ところが、優先権は、民法一般の原則とは異なり、法定の要件(これを法律用語で「対抗要件」といいます)を備え担保を取得主張できるようになった時期と国税債権等の「 法定納期限 」の先後によって決まるとされています(国税徴収法16条ほか)。
過去の経験事例として、恒常的に税金納付が滞っている企業に対し、国税当局は本税よりも延滞税を優先的に充当しており、その企業が倒産した後に蓋を開けてみると、かなり以前に法定納期限を迎えている国税債権が残っており、担保を設定していたはずなのに、全額国税当局に持っていかれたことがあります。

【強力ポイント3】国税債権等の徴収のための差し押さえは、徴収職員の権限
強力ポイント1で「国税債権等よりも先に、懐に入れてしまわないかぎり」としましたが、これも実際は難しいのです。なぜなら、企業が強制的に債権回収をする場合は、裁判所による命令を必要とするため、証拠の準備、弁護士への相談、裁判所への申し立てをすると、最低でも数日かかります。ところが、国税債権等は徴税職員が差し押さえをすることができるので、時間的にかなうわけがありません。
この点、国税と地方税の徴収職員間の先陣戦いもあるのですが、今回の趣旨からは省略します。

このような強力な手段を与えられて徴収される国税債権等なのですから、税金の支出についても、使途不明にするなど、国民の負託に応えた行為とはいえないと考えます。

Posted on 2022/05/27 Fri. 15:16 [edit]

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“京都病”という病 

ゴールデンウイークも終わってしまいました。
新学期がはじまりバタバタしていたので、久々の更新になります。
まだ5月はじめだというのに、関東甲信越では梅雨入りの話が出てきているようです。

今朝の南アルプスの様子↓ 午後から雨予報のため雲が低いです(14時前から降り出しました!)
20220509風景

さて、タイトルにある「 京都病 」ですが、これは病院に行くような病気ではありません。
一部ネット上の使用されているもので、「京都で大学生活を送り、就職を機に京都を離れた人が、京都を極端に美化してゆく傾向」を指しています。そして、その治療方法としては、「 京都に頻繁に行く 」や「 京都に戻る 」などがいわれています。

研究室の庵主も、大学時代を京都で過ごし、就職を機に東京や大阪、そして現在の山梨へと京都を離れました。
そのためか自分自身でも「京都病」に罹っているかも???、と思うことがあります。

今回のゴールデンウイークの前半には、庵主も実家の用事のため関西に帰省しており、その往復には京都駅を利用しましたし、帰省のときは京都駅を利用することが多いです。しかし、山梨~関西は結構移動時間がかかり、帰省の際の時間が限られていることもあってか、最近、特に新型コロナ禍以降は、京都駅を月1ペースで通過しているにもかかわらず、街中には出かけていません。

京都病に罹っているとして、京都駅の通過は治療方法になっているかというとそんな感じはしません。
庵主の「京都病」は意外と軽症なのか、あるいは京都駅の土産物店やローカルショップの雰囲気に触れるだけでも効果があるのかもしれません。また、大阪で仕事をしているときは、何かにつけて京都に遊びや買い物に行っていたので(行くところが多かったのは事実)、病状の悪化を防いでいたのかもしれません。

ただ、完治はしてないようで、今の仕事が終われば、京都に住むかと考えてしまうことがあります。
その時に思い出すのが大学の授業中に民事訴訟法の鈴木正裕先生(神戸大学から非常勤で来られていた)がされた雑談です。正確に覚えているわけではないのですが、こんな感じでした↓。

年とったら京都に住みたいって云う人がおるんやけど、京都は夏暑いし、冬寒いから、住んだら早死にすんで

Posted on 2022/05/09 Mon. 14:39 [edit]

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大学教員にもインボイス方式? 

今日はオンライン研究会のために登校しています。
研究室のある大学でも今週から新年度の授業が開始し、学生たちが増えています。
ただ、オンライン授業と対面授業が相半ばしているようで、コロナ前に比べると今年も少ないですね。

今朝の南アルプスの様子↓ 今日は晴れるので暖かくなるとうれしいです。
20220416風景

さて、今年に入って、講演会の講師やら雑誌に原稿の掲載をさせてもらっている、A社から「適格請求書発行事業者登録登録番号のご通知とご依頼について」という書面が届きました。
いわゆるインボイス(適格請求書)方式で、2023年10月から導入されるそうです。
登録事業者(納税事業者)にならないと、インボイスが発行できず、仕入先への消費税が控除されないとのことらしいです(あまり自信がない)。

こんなん来たよと、たまたま電話のあったA社の知人に話をすると、教員個人の講師料や原稿料には所得税の源泉徴収するだけで、消費税は関係ないじゃない?といわれています。

A社がどのような意図で送ってきたのかよく分かりません。
ただ、いわゆるフリーランスや零細企業の人たちが困ることになるという話はよく聞きます。

われわれ大学教員がこのどのように関係するのかもう少し調べてみないといけないようです。

Posted on 2022/04/16 Sat. 13:05 [edit]

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18歳成人まであと1週間 

年度末ということもあり、更新が途絶えておりました。
さらに、先週から整形外科系の問題が生じ、日々相互訪問させていただいているサイトにも1週間近く訪問できる状態でなく、失礼をしていたところです。
昨日の夜あたりからようやく日常活動が戻りつつあります。

今朝の南アルプスの様子↓ 今週はまた雪が降ったようですね。
20220324風景

さて、来週の金曜日には4月1日となり、満18歳を成人とする民法の改正規定が施行されます。
したがって、来週末に18歳、19歳になっている人は、4月1日から成人となります。
成人になると一旦締結した契約を解消することは非常にハードルが高くなります。

この改正については、消費者保護の観点から懸念が表明されてきました。
必須あるいはそれに近い入試科目にでもしない限り、受験勉強に集中すべき時期に、消費者保護のことを教えるということは、高等学校としては難しいのではないかと考えます。

情報リテラシーやの必要性はしばしば強調され、入試科目にもなりました。
ところがここで学んだ知識を、大学入学早々から活用するのは一部学生に止まります。

それに対し、成人となることの意味合いは、学部に関係なく、その年齢になればすべての学生(もちろん大学等に行かなかった高校卒業生も)にとって重要なこととなります。

ところで、庵主はこの4月入学学生の学年担任となるので、4月の早々のガイダンスで注意喚起をするために、いろいろと状況を調べているところです。
特に懸念されている契約としてあげられていたのは、
1)サブスクリプション契約
2)暗号資産契約
3)アダルトビデオ出演契約

などでした。これらへの注意喚起や万一契約してしまったときの対応をどのように伝えるか、新入生がやってくる4月までに考えておかなければいけません

Posted on 2022/03/24 Thu. 15:30 [edit]

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【宣伝(3/4追記あり)】蒼い夜の狼たち原画展 

いよいよ2月も終わりですね。
今日は新型コロナワクチンの3回目の接種があります。

今朝の南アルプスの様子↓ まだまだ雪が残っているようです。
20200228風景

さて、知り合いの仕事の紹介アゲインです。

以前の宣伝 → http://nashidaina414.blog.fc2.com/blog-entry-472.html

3月のはじめに、丹波山村七ツ石神社にまつわる絵本 『蒼い夜の狼たち』 の原画展が開催されます。 源流が流れる丹波山村の観光紹介、丹波山村の特産品の展示販売、オリジナルブランド“Wolfship Design”印伝などの販売などが行われるそうです。

山梨会場
日時:令和4年3月2日(水)~3日(木) 11:00~18:00
場所:山梨県防災新館1階やまなしプラザ オープンスクエア(甲府市丸の内1丁目6-1)


東京会場も確か立川あたりで開催との告知を見た記憶があります。ただ、見つからないので、ご容赦を・・・

2020/3/4追記----------------------
開催中2日間とも原画展に行ってきました。
平日ということもあって、ゆっくりと見ることができ、また、滞在しておられた作者の寺崎さんからも解説を聞くことができました。

会場の様子↓ 写っている方が作者の寺崎美紅さん
20220303狼原画展1

会場の様子2↓ 反対側から
20220303狼原画展2

絵本とはサイズが違うのと、色合いが微妙に異なるので、細かい点まで拝見することができました。
やはり何事も現物を見ないといけませんね。

東京立川会場3月19日(土曜日)・20日(日曜日)の開催を予定されているそうです。
未確定の部分もあったので、告知を取り消したそうです。別に中止になったわけでないそうです。
展示される原画の数は少なくなるそうなのですが、キレイなのでお近くの方はぜひ足をお運びください。

 

Posted on 2022/02/28 Mon. 11:34 [edit]

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